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五輪で強まったコロナの「楽観バイアス」 このまま社会的終息を迎えるのか

繁華街(東京・上野)の人出はコロナ前と変わらない状態に(撮影/内海裕之)

繁華街(東京・上野)の人出はコロナ前と変わらない状態に(撮影/内海裕之)

 新型コロナ第5波の感染拡大が止まらない。ワクチン接種がようやく進んできたが、デルタ株の蔓延もあり、新規感染者数の増加が続いている。緊急事態宣言発令中の東京では、五輪開催もあり、自粛のムードは一向に高まらない。この先コロナ禍はどう進んでしまうのか──。過去のパンデミックの例をもとに、ニッセイ基礎研究所・主席研究員の篠原拓也氏が説明する。

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 新型コロナウイルスの感染拡大は、ワクチン接種の進捗に応じて各国の違いが顕著になってきた。

 接種が進む欧米諸国では、感染の勢いは減じている一方、接種が進んでいない東南アジア諸国では、爆発的な感染がみられている。ただ、欧米では接種が完了した人が感染するケースもあり、本当にこのまま感染が収束するのか予断を許さない状況となっている。

 日本では、現役世代のワクチン接種が本格化している。しかし、それを上回る勢いで変異株であるデルタ株(インド型)が拡大しており、1日に1万人を超える新規感染者も珍しくなくなった。

 政府は、東京などに4回目の緊急事態宣言を発令しているが、人々に感染拡大防止に向けたメッセージは浸透していない。発令中にもかかわらず、現役世代、とくに若年者を中心に首都圏や関西圏など繁華街の人流は減らず、感染拡大に歯止めがかからない事態となっている。

 このまま進んでいくと、いったいコロナ禍はどうなってしまうのだろうか。今回は過去のパンデミック等を振り返りながら考えてみることにしたい。

人々にまん延する「楽観バイアス」

 そもそも、なぜ緊急事態宣言の効果が出にくくなっているのだろうか?

 コロナ禍が始まって、かれこれ1年以上が経つ。石鹸での手洗い、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの徹底、大人数での会食自粛……など、耳にタコができるほど感染予防策が言われてきた。多くの人がそれらを遵守している。現に真夏にもかかわらず、街中では人々のマスク着用が当たり前の光景となっている。

 それにもかかわらず、感染の波は何度も襲来し、それを追うようにして緊急事態宣言の発令と解除が繰り返されてきた。心理学の学者によると、人々に“宣言馴れ”が生じているとみられる。この宣言馴れは、コロナを軽く見てしまいがちな「楽観バイアス」につながるという。

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