「NHKに頼っていると夕方6時ジャストに取組が終わる。昔のプロレスのようでは、八百長かと疑われてしまう。幕内のベスト16の8取組は、午後6時スタートにするくらいのタイムスケジュールがいい。あとはプロ野球のように多少の時間延長があってもファンは納得する。そうすれば相撲は格段に面白くなるのではないか」
その一方で、よく指摘される力士の大型化に伴って土俵の大きさ(直径15尺)を広げたほうがいいという意見については否定的だった。
「この意見には反対ですね。考え方を間違っている。相撲というスポーツの本来の意味を理解していない。円というのはうまく動けばどこまでも広くなる」
厳しい意見を述べながらも、物事の本質がどこにあるかを常に考え続ける人であったように感じられた。ご冥福をお祈りします。
取材・文/鵜飼克郎(ジャーナリスト)