芸能

石原裕次郎さん『太陽にほえろ!』ラストシーンで吸った闘病中のタバコ

石原裕次郎さんはタバコを小道具のひとつとして見事に使いこなしていた(時事通信フォト)

石原裕次郎さんはタバコを小道具のひとつとして見事に使いこなしていた(時事通信フォト)

 健康志向が高まり、喫煙者の肩身が狭い今の時代。一方で、昭和という時代を語るのにタバコの煙は欠かせないものだ。昭和の大スターは紫煙をくゆらせながらどんな表情を浮かべ、どんな言葉を交わしていたのか──。元日本テレビのドラマプロデューサー・岡田晋吉氏が石原裕次郎さんのタバコにまつわる思い出を語る。

 * * *
 石原裕次郎さんはスタジオに自分のキャンピングカーに乗って来ていたので、撮影時間の合間はそこで休んでいました。タバコもその中で吸っていたようです。もっと若い頃はセットの片隅でタバコを吸う姿も度々見かけたので、ずっとヘビースモーカーだったのでしょうね。

 とても紳士でした。基本的には寡黙だけど、いつもニコニコ笑っていて、よく冗談を言って周囲を和ませてくれた。

 強く記憶に残っているのは『太陽にほえろ!』のクランクイン初日の彼の言葉です。「オレは俳優として来たんだから、何でも注文してよ」と「ボス」というニックネームもOKしてくれた。これがテレビドラマにおける石原裕次郎誕生の原点だったと思います。

〈『青春とはなんだ』をはじめとする“青春シリーズ”をヒットさせたのに続き、石原裕次郎主演の『太陽にほえろ!』『大都会』などを手がけた元日本テレビのドラマプロデューサー・岡田晋吉氏。映画で国民的スターとなり、「テレビには出ない」と固辞していた石原を説得し、出演を承諾させたのも岡田氏の“功績”である〉

 当時、ドラマとタバコは切っても切れない関係にありました。いまのように喫煙について厳しく言われることはなく、ドラマの喫煙シーンが当たり前だった時代。役者さんたちは、むしろタバコを芝居の小道具のひとつとして使っていました。

『太陽にほえろ!』では、ヘビースモーカーではないけれど、山さん(露口茂)もタバコをうまく使って演技をしていましたね。

 もちろん石原さんがタバコを吸うシーンもありました。最初から台本に書いてある場合もあれば、現場で監督が指示したり、石原さん本人の判断で吸ったりするケースもあったようです。

 しかし、石原さんは1981年に解離性大動脈瘤の大手術を受け、『太陽にほえろ!』の後半は病と闘いながらの撮影になりました。タバコも禁じられていたので、吸うのを我慢していたようです。

 まき子夫人もかなり気にされていたようで、「タバコを吸うと(奥さんに)怒られるんだよ」と苦笑いしていました。タバコだけでなく、食事にもすごく気を遣っていて、本当に“我慢強い人だな”と感じました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン