「密にならないということでバーベキューをするご家庭が増えましたが、度を過ぎているというか……」
茨城県の主婦・本田史子さん(仮名・40代)は、一戸建てが並ぶ新興住宅地に居住。コロナ禍の夏に、自宅の庭でバーベキューをしたり食事をする住人が増えたとは感じていたが、真向かいに住むご近所さんのソレは目に余るものだった。
「とにかく朝から晩まで、庭に設置された大きなコンロで肉を焼いたり魚を焼いたりする。匂いだけでも洗濯物について大変なのに、大宴会で笑い声や話し声もすごいんです」(本田さん)
みかねた夫が注意に行くと「室内でやれというのか」と押し返されたという。
「室内でやって感染したらお宅のせいだ、と言われてしまったようですが、とんでもないお門違い。文句を言って以降も騒がしさはそのまま。バーベキューができない冬が来るまで待つしかないんでしょうか」(本田さん)
千葉県在住のカメラマン・星川亨さん(仮名・40代)は、自宅の場所柄から、こうしたコロナ禍での迷惑な人々の行動により、精神状態も不安になっていると訴える。
「自宅の前が公園で、その横にコンビニがあり、同じフロアには宅飲み大学生が住んでいます。公園では春先から酒を持ち込んで飲む人が出始め、コンビニには灰皿も設置してあるので、とにかく大混雑でゴミも散乱するようになった。外から内から騒がしい声が聞こえてきて、それが深夜まで続くんですから」(星川さん)
筆者も飲酒は大好きだが、コロナ禍以降は酒を飲むことすらほとんどなくなった。感染対策を考えるとひとり酒になるからだろうか。確かに、気のおけない仲間と酒を飲みたい気持ちはある。
久々に知人らで集まり酒を飲めば、それはさぞ楽しかろう。だが、きちんと自粛し、我慢している人たちまでもが「これだから酒飲みは」と一括りに非難されるのなら、たまったものではない。
「コロナ禍」が始まり、およそ一年半が経過しようとしている。あらゆる場所で人々の「限界」が見え始めているが、我慢や自粛の「壁」が崩れたら、そこに待つのは今以上にきつい制限だらけの生活だ。宅飲みで大騒ぎしたり、路上飲みで住人に迷惑をかけている人たちは、それでも飲み続けるのだろうか。