樹木希林さんの問いかけや分析とは(写真/Getty Images)
役者としての生き様を諭されていた浅田だが、実は彼女には鏡を見るのが憂鬱だった時期がある。50才を超え、自分が老いていくことを実感しはじめた頃だった。
その悩みを見透かしたかのように、樹木さんはこんなふうに問いかけた。
《「何で私には役のオファーが絶えないんだと思う?」》
存在感、生き方、演技力……答えはいくつも浮かぶが、樹木さんの分析は違った。
《私がちゃんと歳をとっているから。日本にはいくつになってもその歳に見えない美人女優さんが多いでしょう。でも私は、年相応のおばあちゃんに見えるおばあちゃんだからおばあちゃん役はみーんな私のところに来るの(中略)人間って、経年とともに変化していくから面白いんだよね。若い頃の美しさに固執している人は面白くないし、50歳を過ぎたら50歳を過ぎたなりの、60歳を過ぎたら60歳を過ぎたなりの、何かいい意味での人間の美しさっていうのがあると思う》
※女性セブン2021年9月23日号