国内

警察庁長官、警視総監、内調も 安倍前首相の“懐刀”が続々出世の怪

安倍晋三氏

安倍晋三前首相に近い人たちが次々組織のトップに

 9月14日、第29代警察庁長官に中村格・警視庁次長、第97代警視総監に大石吉彦・警備局長が就任することが発表された。松本光弘・警察庁長官と斉藤実・警視総監の退職に伴う「昇格」だが、この人事の“背景”が話題となっている。

 というのも、中村氏、大石氏はともに、安倍晋三・前首相に近く、今回の人事は安倍政権の“論功行賞ではないか”と言われているからだ。

 中村氏といえば、警視庁刑事部長時代の2015年、安倍氏と懇意の仲と言われていたジャーナリスト・山口敬之氏が、ジャーナリストの伊藤詩織さんに対して性暴力を行なったという“疑惑”が報じられた際、山口氏の逮捕が突如中止された件に関わった人物として取り沙汰され、たびたびメディアを騒がせた。そのため、今回の昇格人事が発表された途端に、SNSでは批判が殺到。〈#中村格氏の警察庁長官就任に抗議します〉との書き込みがトレンド入りしたほどだ。

 一方の大石氏は、第2次安倍政権が発足した2012年から約6年半、安倍氏の首相秘書官を務めている。

“安倍案件”と言われている人事はこれだけではない。

 9月1日、内閣情報調査室内閣審議官兼内閣情報分析官に、元産経新聞社編集委員の加藤達也氏を起用したことが発表された。
 
 加藤氏といえば、同社でソウル支局長を務めていた2014年、セウォル号沈没事件当日の朴槿恵・前大統領の「空白の7時間」に疑問を呈した記事を書き、「大統領への名誉毀損」として韓国検察当局に起訴された。8か月の出国禁止命令を出されていたものの、無罪を勝ち取り、帰国後は同社で編集委員を務めていた。

 本誌・週刊ポストは昨年10月に加藤氏の内調入りの情報を掴み、「登用は安倍政権時代に決まっていた話。拘束後も韓国当局との法廷闘争を貫いた加藤氏を、安倍政権の“対韓外交の知恵袋”として登用しようとしていた。朝鮮半島情勢の分析チームで危機管理の仕事を任せたかったようだ」と報じた。

 加藤氏に関しては、「昨年の報道により色々騒がれた結果、ほとぼりが冷めるのを待って今のタイミングでの登用になったようです」(全国紙政治部記者)というが、中村氏、大石氏も合わせた3人の人事の背景について、別の全国紙政治部記者はこう話す。

「安倍前総理は、森友・加計学園問題や『桜を見る会』の問題に触れられることを本気で嫌がっている。それらの捜査をする警察組織に自分の“懐刀”を入れ、味方につけようとしているのではないかと見る向きもあります。加藤氏にも、内調で対韓外交以外の“危機管理”も任せようとしているのではないか」

 総裁選を横目に、“院政”の地ならしは着々と進んでいる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン