その後、群馬4区は福田康夫氏の長男・達夫氏が、同5区は小渕恵三氏の次女・優子氏が世襲し、現在に至っている。両氏は今回も盤石の戦いで当選は堅いとみられている。一方で比例に転じた中曽根康弘氏の長男・弘文氏は参院議員から衆院に鞍替えするチャンスがなく、その息子の康隆氏もいま、小選挙区からの出馬を巡るいざこざで窮地に立されている。
「菅氏の退陣とともに中曽根康隆氏が二階氏という後ろ盾を失った一方、総裁選を前に派閥横断的に若手を集めた『党風一新の会』を立ち上げ、結果的に岸田氏の総理就任を側面支援したかたちとなった福田達夫氏は、当選3回ながら異例の党総務会長に抜擢された。“総理の孫”である2人の間で、明暗がはっきり分かれた格好です。小渕優子氏が組織運動本部長のポストに就き、政治資金スキャンダルによる経産相辞任(2014年)から着々と復活の歩みを進めているのも、“中曽根一家の苦境”とは対照的です」(自民党関係者)
“令和の上州戦争”はどういった結末に向かうのか。