晩年も読書をしながら、自分に合う役を探し続けた。諸行無常を感じながらも、最後まで女優であろうとした大原は2009年8月3日、62年の生涯に幕を閉じた。戒名は「華麗院妙舞大姉」。
「三鷹の観音寺に母が建てた墓に入る予定でしたが、ファンの方が訪問しやすいように、より大きな妙壽寺(世田谷)の父が眠る墓に埋葬しました」
メッセージやブロマイドが置かれる墓には、13回忌を迎えた今も参る人が絶えず、花が手向けられている。
「姉はファンレターのすべてに目を通し、『自殺したい』という手紙には『一緒に生きていきましょう』と直筆で返信するほどファン想いでした。今も皆さんに愛されて喜んでいると思います」
(一部敬称略)
取材・文/岡野誠 写真提供/大原政光
※週刊ポスト2021年11月19・26日号