スポーツ

亡き父が語っていた新庄剛志「他人が見ていないところで努力するタイプ」

2001年に父・英敏さんが本誌・週刊ポストに明かしていた新庄氏の歩み

2001年に父・英敏さんが本誌・週刊ポストに明かしていた新庄氏の歩み

 日本シリーズそっちのけで話題を振りまくのが、日本ハム監督に“電撃就任”した新庄剛志氏だ。ド派手な服装、独特の“新庄節”、確かな野球センス──「宇宙人」と呼ばれる新庄氏の手腕に期待が集まるが、この異端の野球人はどのように育てられたのか。10年前に亡くなった父・英敏さん(享年70)が、本誌・週刊ポストに明かしていた新庄氏の歩みとは。【全3回の1回目】

 * * *
「これからは顔を変えずにチームを変えます」「監督と呼ばないで。ビッグボスでお願いします」──プロ野球・日本ハムの監督に就任した新庄剛志氏は、11月4日の就任会見から日本中の度肝を抜いた。

 ワインレッドのスーツに襟高シャツで登場して“新庄節”で話題をさらうと、直後の沖縄・国頭村での秋季キャンプには、現役時代のリストバンドにも使った“新庄カラー”の真っ赤な上下ジャージで現われた。

 この「赤」は幼い頃から新庄氏のトレードマークだったという。

「私の好みで子供の頃から身につけさせていました」

 2001年1月、『週刊ポスト』インタビューでそう明かしていたのは10年前に亡くなった父・英敏さんだ(享年70、2001年2月9日号掲載)。新庄氏がMLBのニューヨーク・メッツへの移籍を決め、脚光を浴びたタイミングでの取材だった。

 福岡市内にある新庄氏の実家は造園業を営んでおり、軒先には「新庄造園」とプリントされた白いトラックが停まっていた。そこに現われたのが、真っ赤な法被を羽織った英敏さん。開口一番、「宇宙人の父親ですが……」と話を切り出した。

「この赤はね、剛志がリストバンドにつけているのと同じ赤です。小さい頃、よく造園の現場に連れて行っていました。大人のなかで育てれば物怖じしなくなると思ったからです。実際、どこに行ってもマイペースでやれていますよね(笑)。

 ただ、鼠年生まれなもんで、とにかくチョロチョロする。交通事故には8回も遭いました。自由奔放に遊ばせてやりたいが、迷子にならないかも心配で、どこにいても目立つように剛志には常に真っ赤なセーターやシャツを着せていたんです。それが“新庄カラー”になっている。赤は闘争心の色です。我が家の基本色、勝負色とでも言いましょうか、私も家内とのデートの時によく身につけていました」

 英敏さんは2011年8月に食道がんで亡くなったが、新庄氏のことを常に気にかけていた。取材当時、自宅の居間には息子が出演したテレビ番組のビデオが並び、「前年4月のタイガースカレンダー」が吊るされていた。球団カレンダーにおいて開幕シーズンの4月に配されるのはスター選手。この時の阪神の“4月の顔”はもちろん、看板プレーヤーだった新庄氏だ。

「『宇宙人』とはうまく言ったもんだ。親の私ですら、剛志が何を考えているのかわからないですからね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・イメージ 写真はいずれも当該の店舗、販売されている味噌汁ではありません)
《「すき家」ネズミ混入味噌汁その後》「また同じようなトラブルが起きるのでは…」と現役クルーが懸念する理由 広報担当者は「売上は前年を上回る水準で推移」と回答
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン