妊娠がわかったときは「100%うれしかった」(和さん)。

妊娠を喜ぶ和さんと将一さん(2020年1月)

「和がどんな人間で、何を考えて出産に臨み、どうやって病気と向き合い、どれだけ娘を愛したのか。そういうことを、娘のために形に残せたらいいねという話をふたりでしました。最終的に、和を中心に書き進め、ぼくが窓口役になって、娘のために本をつくることを決めました」(将一さん)

《2021年1月14日(木)
 一番仲良かったがん友が、3日前に亡くなった。彼女のお母さんが知らせてくれた。
 私より少し年上で、スキルス胃がんのステージIVだった。
 7月に娘を産んだあと、本当に苦しくて死にかけていたとき、すごく助けてもらった子だった。自分もしんどいのに、私のことを励ましてくれた。「大丈夫、負けないで。一緒に頑張ろう」そう言ってくれた。彼女の言葉のおかげで、いま生きていられる。それぐらい心の支えだった。
 去年の11月、「病院で死ぬのは嫌だから」といって地元の秋田に戻ったと聞いていた。会いに行こうと思って、いつにしようって話までしていた。そこから1回も返事がなくて……。
 年は越せないって言われていたみたいだから、そろそろなのかなと思ってはいたけれど、知らせを聞いたときはやっぱりショックだった。
 悔しいし、悲しい。怖い。がんで、私と同じステージ。そういう人がどんどん亡くなっていく。一緒に戦ってくれていた大好きな仲間が、どんどんいなくなる。もっと生きていたかったよね。
 一方で、やっと病気から解放されたのね。お疲れさま、とも思う。ずっと、痛い、苦しい、しんどいっていう思いと向き合ってきたはずだから、いまは穏やかに、ゆっくり過ごせていたらいいな。》

 今年初め、本格的に、出版に向けた準備が始まった。本誌・女性セブンは、和さんの日々の日記をもとに、定期的にインタビューを行った。

「和は病気になってからもずっと仕事をしたがっていました。体調と相談しながら、頑張っていたと思います。取材の日には、毎回話すことを丁寧にメモにまとめていました」(将一さん)

 和さんの闘病や育児を綴った日記は、本誌・女性セブンでも折にふれて紹介した。そのたびに編集部には和さんの姿に心を動かされたという読者から大きな反響が寄せられた。

「多くのかたがたから励ましのメッセージや手紙をいただき、和はとても喜んでいました。よく読み返していたので、つらいときの心の支えになっていたと思います」(将一さん)

 一方で、病状は少しずつ悪化していた。

「今年3月、使える抗がん剤は残り2種類で、そのどちらも効かなくなったら、おそらく半年くらいしか生きられないと主治医から話をされました」(将一さん)

 4月、腸閉塞を起こして入院。ストマ(人工肛門)造設手術を行い、5月には腎ろう造設手術も受けた。

 5月末、退院を控えた和さんは、余命宣告を受けた。

「来週万が一のことがあってもおかしくない体の状態だと主治医に説明されました。できる治療はないので、緩和ケア病棟に移るのはどうかと提案されました。

 ぼくも和も、治すための治療を続けたいと考えていたので、一旦自宅に戻って、治療をしてくれる病院を探すことにしました」(将一さん)

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