ビジネス

世帯年収1400万円のパワーカップルが都内新築マンションを買いあさる「危うさ」

テレワークの普及でマンションに広さと部屋数を求める人が増えている。

バブル期の平均価格を超えても売れ続ける東京23区の新築マンション

 東京都心の新築マンションの価格上昇が止まらない。月によっては平均1億円を超えることもあるが、それでも契約率は高い水準を維持して売れている。好調な売れ行きを支えているのが、夫婦ともに高収入のパワーカップルといわれるが、そこには大きな落とし穴が潜んでいる。住宅評論家の山下和之氏がレポートする。

 * * *
 民間調査機関の不動産経済研究所の調査によると、2021年1月から10月までの首都圏新築マンションの平均価格は6565万円。10月としては過去最高だったバブルのピーク時の6123万円を大きく上回っており、2021年1年間の平均が過去最高を更新するのは間違いない。とんでもない価格上昇だ。

 それでも売り出した月に何%が売れたかを示す月間契約率は、コンスタントに70%前後で推移し、70%を上回る月もある。

 新築マンションの多くは完成前に売り出される、いわゆる“青田売り”だから、初月に70%売れれば、竣工までにはまず完売できる見込みが立つ。そのため、70%が好不調のボーダーラインといわれるが、これだけ値段が高くなっても、そのボーダーライン前後か、それを上回っているのだから、驚いてしまう。

23区の新築マンション平均価格は「1億円超え」も

 この価格上昇を牽引しているが、都心部を中心とする東京23区の新築マンションであるのはいうまでもない。

 やはり不動産経済研究所のデータによると、2021年度上半期(4月~9月)の首都圏新築マンションの平均価格が6702万円に対して、東京23区の平均は8686万円に達している(別掲図1参照)。

【図1】首都圏エリア別の新築マンションの平均価格と契約率(出典:不動産経済研究所『首都圏・近畿圏マンション2021上半期(2021年4月~9月)』

【図1】首都圏エリア別の新築マンションの平均価格と契約率(出典:不動産経済研究所『首都圏・近畿圏マンション2021上半期〈2021年4月~9月〉』)

 月単位の平均価格をみると、4月は1億180万円、8月には1億812万円と1億円を突破したこともある。それでも、4月は首都圏平均の契約率73.6%に対して、東京23区は76.6%と首都圏平均を上回るほどに売れた。8月も首都圏平均73.0%に対して、東京23区は72.5%だから、堅調に売れたことが分かる。

 かつてのバブル時には誰もが将来の収入アップに疑いを持たなかったが、現在はパンデミックから完全には抜け出せない先行きへの不安感が強い。そんな環境で、いったいどんな人たちが買っているのだろうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真剣交際が報じられた犬飼貴丈と指原莉乃(SNSより)
《仮面ライダー俳優・犬飼貴丈と真剣交際》“芸能界の財テク王”指原莉乃の「欲しいもの全部買ってあげる」恋愛観、私服は6万超え高級Tシャツ
NEWSポストセブン
母の日に家族写真を公開した大谷翔平(写真/共同通信社)
《長女誕生から1か月》大谷翔平夫人・真美子さん、“伝説の家政婦”タサン志麻さんの食事・育児メソッドに傾倒 長女のお披露目は夏のオールスターゲームか 
女性セブン
奥本美穂容疑者(32)の知られざる”アイドル時代”とは──(本人SNSより)
《フリフリのセーラー服姿》覚せい剤で逮捕の美人共犯者・奥本美穂容疑者(32)の知られざる“病み系アイドル時代”【レーサム元会長とホテルで違法薬物所持の疑い】
NEWSポストセブン
ぐんぐん上昇する女優たちのCMギャラ(左から新垣結衣、吉永小百合、松嶋菜々子/時事通信フォト)
【有名女優のCMギャラ一覧表】1億円の大台は80代と50代の2人 10本超出演の永野芽郁は「CM全削除なら5億円近く吹っ飛ぶ」の声も
週刊ポスト
万博初日、愛子さまは爽やかな水色のセットアップで視察された(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《雅子さまとお揃いパンツスーツ》万博視察の愛子さま“親子シミラールック”を取り入れたコーデに「ネックレスのデザインも相似形でした」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
《美女・ホテル・覚せい剤…》元レーサム会長は地元では「ヤンチャ少年」と有名 キャバ嬢・セクシー女優にもアテンダーから声がかかり…お手当「100万円超」証言
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
【独占直撃】元フジテレビアナAさんが中居正広氏側の“反論”に胸中告白「これまで聞いていた内容と違うので困惑しています…」
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中、2人は
《憔悴の永野芽郁と夜の日比谷でニアミス》不倫騒動の田中圭が舞台終了後に直行した意外な帰宅先は
NEWSポストセブン
「全国赤十字大会」に出席された雅子さま(2025年5月13日、撮影/JMPA)
《愛子さまも職員として会場入り》皇后雅子さま、「全国赤十字大会」に“定番コーデ“でご出席 知性と上品さを感じさせる「ネイビー×白」のバイカラーファッション
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
〈シ◯ブ中なわけねいだろwww〉レースクイーンにグラビア…レーサム元会長と覚醒剤で逮捕された美女共犯者・奥本美穂容疑者(32)の“輝かしい経歴”と“スピリチュアルなSNS”
NEWSポストセブン
永野芽郁のCMについに“降板ドミノ”
《永野芽郁はゲッソリ》ついに始まった“CM降板ドミノ” ラジオ収録はスタッフが“厳戒態勢”も、懸念される「本人の憔悴」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
スタッフの対応に批判が殺到する事態に(Xより)
《“シュシュ女”ネット上の誹謗中傷は名誉毀損に》K-POPフェスで韓流ファンの怒りをかった女性スタッフに同情の声…運営会社は「勤務態度に不適切な点があった」
NEWSポストセブン