ライフ

妻を亡くして1年の津島雄二元厚労相「沈滞した気持ちを大切に淡々と生きる」

政界進出時、園子さんの「内助の功」があった

政界進出時、妻・園子さんの「内助の功」があった

 もしも妻に先立たれたら──そんな仮定で人生を考えたことがない男性も多いのではないだろうか。ただ、経験者の話を聞くと、長い人生のなかで“その時”に備えておくことが重要だとわかってくる。どのように悲しみを乗り越えていったのか、元衆議院議員・津島雄二氏(91)に聞く。

 * * *
 元衆議院議員で厚生大臣を務めた津島雄二氏(91)は、2020年4月に妻の園子さん(享年78)を亡くした。作家・太宰治の長女である園子さんの実家、津島家へ婿入りし、旧大蔵省から政界へ進出。

 夫人の地元である青森1区を選挙区とし、応援演説や講演会など、夫婦一体で代議士人生を歩んできた。津島氏は園子さんとの思い出をこう語る。

「代議士の妻として僕の代わりに出ていかなくてはならないことも多くて、忙しい人生だったと思いますよ。大臣を数回やったけど、大臣時代は地元にあんまり帰ることができなかった。その時には僕の代わりに色々と回ってくれたりね。本当にお世話になりました」

 津島氏は、1964年に園子さんと結婚。1974年に大蔵省を退官し、その後夫人の実家がある青森県に居を移した。

「僕の伯父で参議院議員だった文治さん(太宰治の兄、津島文治)から『お前、そろそろ俺の後を継がないか』と言われました。文治さんの長男(俳優の津島康一)は、親の期待通りに政治家になって後を継ぐ人ではなく、そういうなかで僕が大蔵省を辞めて政治の道に入った。僕は家内の実家で居候みたいなかたちで住んでいたんですが、家内の母親は別宅に住んでいて子供の面倒をみてくれたり、恵まれた環境でした。僕としては、自然にそういった状況を受け入れていました。でも家内は太宰の娘だし、常に“裃を着る”ような状態で、家内には申し訳ない気持ちがありましたね」(津島氏)

 縁のない土地から選挙に出て政治家になることに「地元の人たちからは誰も文句が出なかった」という津島氏。その陰には園子夫人の「内助の功」があったという。津島氏より10歳以上も歳下の園子さんだが、「政治活動だけでなく息子の子育てから家事全般まで、家内のおかげで何不自由ない毎日を送ることができた」と津島氏は語る。

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン