スポーツ

岡田彰布氏の新庄評「世間で言われるようなチャランポランな男やないわな」

岡田彰布氏は新庄剛志氏をどう見る?(写真/共同通信社)

岡田彰布氏は新庄剛志氏をどう見る?(写真/共同通信社)

 オフの話題を席巻する日本ハムの“ビッグボス”こと新庄剛志監督。阪神入団当時は人気選手でありながら“問題児”のイメージもついて回った。実際にはどんな人物だったのか。新庄氏を間近で見ていた男たちの証言──(全3回の第3回)。

 * * *
 阪神タイガース在籍時の1995年オフに新庄氏は突然、“引退宣言”をブチ上げ、その後に撤回。翌年には藤田監督が途中退任したが、その年に阪神電鉄から阪神タイガースの球団常務に出向したのが野崎勝義氏だ。2001~2004年は球団社長を務めた。野崎氏の記憶に強く残るのは、2000年オフ、FA権を取得した新庄氏との残留交渉だ。

「新庄君はマスコミへの不信感を持っていた。周囲に“野村(克也)監督には感謝しているが、阪神にはいたくない”“周囲の状況が騒がしくて野球に集中できない”と漏らしていたそうです。野村監督も“ここは新庄の気持ちを大切にしよう”と積極的に引き留めには動かなかった」

 新庄氏と野村氏の関係もまた、不思議なものだったという。

「野村監督は新庄君の味方だし、新庄君も野村監督を慕っていた。2人の関係は面白くて、ビジター用のユニフォームをマイナーチェンジする時に、野村監督は新庄君のアドバイスを参考にしていましたね。背中に名前を書かないほうがすっきりすると言われ、タテジマをなくして背番号だけにしたことがあった。野村監督がヴェルサーチェを着るようになったのも新庄君の助言。そういう話を2人でやっていましたね」

 当時、移籍先として横浜、ヤクルトが挙がっていたが、ホテルに呼び出された野崎氏は、新庄氏の告白に度肝を抜かれた。

「移籍が噂されていた横浜は森祇晶さんが監督に就任することになり、森監督の管理野球では実力が出せないから移籍を諦めていたとも聞いていました。ヤクルトも外野のポジションに空きがない。5年12億円という巨額のオファーをしているのだから、残留するだろうとタカをくくっていた。

 しかし、ホテルに出向くとメジャー移籍の決断を聞かされた。想定外のことで、絶句しましたよ。のちに聞けばメッツの年俸は20万ドル(約2200万円)。時代も変わったと思ったが、その席で“強いチームを作ってくださいね”と笑顔で言われたのがずっと残っています」

 6年後の2006年、宮崎で開催されるオールスターの際に野崎氏は宮崎空港でたまたま、日本ハム移籍後の新庄氏と再会した。

「その時、新庄君は“社長、タイガースは強くなりましたね”と話しかけてくれたんです。心底喜んでくれたようで、嬉しかったですね。メジャーや日本ハムでプレーしてひと回り大きくなったと感じました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン