スポーツ

子供たちのサッカー離れ 少子化よりYouTubeやTikTokの影響大か

「Jヴィレッジ」で2018年に開かれた元代表FWの平山相太さん(右)らによる小学生向けのサッカー教室(時事通信フォト)

「Jヴィレッジ」で2018年に開かれた元代表FWの平山相太さん(右)らによる小学生向けのサッカー教室(時事通信フォト)

 裾野のサッカー人口、登録者数が減れば公益財団法人としての事業が成り立たなくなる。2014年度は21億円の黒字だったが近年は赤字体質、2021年度は28億円の赤字を見込んでいる。さすがにコロナ禍が追い打ちをかけた結果だが、赤字の解消見込みは立っていない。象徴でもある文京区の日本サッカー協会ビル(以下、JFAハウス)を売る可能性もある。

「それは仕方ないと思います。サッカー第一、選手第一を考えているJFAですから、貧乏にもなれているでしょう」

子どもがサッカーを支えてくれることが一番

 コーチの言う通り、資金潤沢だった日本野球機構(NPB、こちらも現在は厳しい)と違い、かつてのJFAは貧乏所帯だった。日本リーグ時代は他のアマチュアスポーツ団体と同様に岸記念体育会館に間借りして細々と運営していた。やがてJリーグが盛り上がり、日本がワールドカップに出場するようになると組織を拡大、1997年に本格的なトレーニングセンターとしてのJヴィレッジ、2003年には2002日韓ワールドカップの収益で悲願の本部、JFAハウスを手にすることができた。さまざま批判はあれどこの急成長、本当にすごいことである。何よりサッカーが残ることが大切、JFAは、資産的にはまだ潤沢で十分に耐えられる、だからこその赤字、それに対応する将来のための削減なのだろう。

「それでも少子化と多様化にサッカーも対応しなければいけません。うちも子ども集めが大変ですが、集まらないなりにサッカーを続ける努力が大事です」

 子どもが集まらない理由は他にもある。昔に比べればマシになったが、かつての体育会系は理不尽なシゴキとイジりにまみれていた。

「そのイメージがあるので敬遠する親子もいます。そりゃ勉強したほうがいいでしょうし」

 拙筆『中田翔移籍問題で考察 スポーツ界のいじり根絶は指導者の責務だ』でも言及したが、野球サッカー問わず、こうした体育会系を敬遠する子どもはもちろん、かつて自分もされたがために敬遠する親もいる。お金も時間も使うなら、塾に行ったほうがいいと思うのも無理もない。

「いまはそこまでではありませんし優しく楽しくがモットーですけどね、それでも子ども集めが難しいのは事実です。大人だって減ってるわけで」

 子どもたちだけではなく、JFAの全登録選手数は2014年の96万4,328人をピークに2019年は87万8,072人、コロナ禍の2020年は81万8,414人に減ってしまった。

「シニアは結構がんばってるんですけどね、Jリーグのサポーターも含め高齢化してると言われればそれまでですが、それでも裾野は広いほうがいい」

関連記事

トピックス

被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
1980年にフジテレビに入社した山村美智さんが新人時代を振り返る
元フジテレビ・山村美智さんが振り返る新人アナウンサー社員時代 「雨」と「飴」の発音で苦労、同期には黒岩祐治・神奈川県知事も
週刊ポスト
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
【視聴率『愛の不時着』超え】韓国で大ヒット『涙の女王』 余命宣告、記憶喪失、復讐など“韓国ドラマの王道”のオンパレード、 華やかな衣装にも注目
女性セブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
タイトルを狙うライバルたちが続々登場(共同通信社)
藤井聡太八冠に闘志を燃やす同世代棋士たちの包囲網 「大泣きさせた因縁の同級生」「宣戦布告した最年少プロ棋士」…“逆襲”に沸く将棋界
女性セブン