JFAにとって登録料も大きな収入
日本中学校体育連盟の統計による中学校のサッカー部員数も調べてみると2013年が25万3,090人、2020年には15万8,337人と7年間で10万人近くも減らしている。サッカー部のある中学も2014は7,003校あったのが、2019年には6,774校とこちらもコロナ関係なく減っている。この場合、その中学からサッカー部そのものが消えたということだ。
「ジュニアサッカーは学校の部活よりアカデミー(プロチームの育成組織)とか街クラブ、少年団にシフトしてますが、それでも減りすぎです」
ちなみに同連盟によれば中学校の軟式野球部も2013年で24万3,664人、2020年が14万4,314人でこちらも10万人近く減らしている。どうやらサッカーだ、野球だの人気云々だけではないようだ。
「高校からいきなり始めるって少ないですからね」
確かに、高校から野球やサッカーを始める子もいないではないが少ないだろう。とくにサッカーは16歳でプロ契約もある世界、選手生命も短いとされる。小中生、とくにサッカー小学生の減少はその先のさらなる減少にも繋がることになる。
「もちろん一番の問題は少子化です。本当に子どもの数が減ってますから」
少子化についてはいまさらだが、少子化でもサッカー人気があれば、とくに日本代表の人気があれば子どもたちはサッカーを選んでくれる、というわけでもなさそうだ。
「子どもたちの興味が他に移ってるのもあるでしょうね、You TubeとかTikTokとか、サッカーだけが食われてるわけじゃないですが、そういった新しい分野に子どもを取られているのかもしれません」
それは確かな話で、実際にユーチューバーという職業が子どもたちのなりたいランキングのサッカー、野球、医師といった常連に割り込んで久しい。他にも中学生では「歌い手」や「ボカロP」「ゲーム実況者」「eスポーツプレイヤー」などが上位を占めるようになった。
「一人でできる遊びのほうが人気なんでしょうね、程度にもよりますが、集団行動が苦手だとサッカーは難しいです」
それも含めて子どもたち志向や行動の多様化は事実だ。それでも人口比で言ったらサッカー強国とされるオランダが総人口約1700万人、ベルギーに至っては約1100万人と東京都の人口より少ない。絶対的な人気さえあれば、全体の数の問題ではないのでは。
「それはそうですが、裾野の広さは有望なプロ選手候補をたくさん育てるとかだけじゃないんです。JFAにとっては登録料も大きな収入ですから」