スポーツ

箱根駅伝「最古の区間記録」を塗り替える1区走者は登場するか

2022年箱根駅伝をもっと面白く観戦できるポイント(時事通信フォト)

1区の区間記録更新なるか(時事通信フォト)

 正月の風物詩となっている箱根駅伝の本番がいよいよ近づいている。12月29日には区間エントリーが発表された。厚底シューズの登場などによって高速化の進む箱根駅伝では、近年、多くの区間記録が更新されてきたが、そうしたなかで「最も古い区間記録」となっているのが大手町からスタートする1区だ。2007年に東海大の佐藤悠基が出した1時間1分6秒が、10年以上にわたって破られずにいるのである。

 レースの高速化によって箱根駅伝の区間記録は次々と塗り替えられている。2020年の第96回大会では、往路4区間、復路3区間で区間新記録が生まれた。同年の花の2区では東洋大の相澤晃が史上初の1時間5分台に突入。翌年には、東京国際大のイェゴン・ヴィンセントがさらにその記録を更新し、毎年のように区間新が生まれている状況だ。

 今回の2区にも区間記録保持者のヴィンセントに加え、トラックの記録ではヴィンセントを凌ぐ駒沢大の田澤廉、優勝候補・青学大のエースである近藤幸太郎ら、各校の主力が集まり、レベルの高い争いが繰り広げられることになりそうだ。

 1区の走者は、そうしたエースたちにどの位置でタスキをつなげるかという重要な役割を担うことになる。スポーツ紙デスクが言う。

「前回覇者の駒沢大は1区に準エース格の唐沢拓海を投入し、東京国際大は優勝した今年の出雲駅伝でも1区を走ってチームに勢いをつけた山谷昌也を起用した。青学大は4年生の湯原慶吾がエントリーされているが、ここは全国高校駅伝の“花の1区”で日本人史上最高記録を持つ佐藤一世への当日変更の可能性などがあるだろう。早稲田大も1区経験のあるエース・中谷雄飛が当日になってエントリーされるかもしれない。スタート直後から主力同士のぶつかり合いになるでしょう」

 ハイレベルな選手が起用される1区は、大手町の読売新聞社前をスタートして鶴見中継所に至る21.3kmのコース。後半の六郷橋でのアップダウンを除けば比較的、平坦な道のりだが、それでも15年前の東海大・佐藤の区間記録がいまだ破られずにいる。

「横一線でのスタートとなる1区は、タイムよりもどこで仕掛けて抜け出すかという駆け引きも重要になってくる。2007年の東海大・佐藤は序盤から独走態勢になって2位に4分以上の差をつける走りで区間新をたたき出した。その一方、主力級の選手たちが走っていても、お互いにけん制しあう展開になれば、タイムは上がらなくなる」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン