腸が整えば人生はうまくいく
納豆、ヨーグルト、みそと、トップ10にランクインしたこれら3つの食品をはじめとして、発酵食品の健闘が際立った。佐々木さんが解説する。
「発酵食品は体内に吸収されやすいことと腸内環境を整える働きがあること。この2つの側面を持つ、健康な体を作るための非常に重要な食品です。特に腸内環境が全身に及ぼす影響は近年、さまざまな研究によって次々と明らかになっています。とりわけ、病気やウイルスから体を守るための免疫細胞の7割は腸内にあるとされており、風邪やインフルエンザはもちろん、糖尿病や高脂血症、認知症との関係も指摘されています」
未曽有のウイルスである新型コロナもまた腸内環境との関連性が数多く指摘されており、イギリスの消化器病学会は腸内細菌のバランスの不均衡がコロナの症状を長期化させる可能性があることを発表している。
「加えて発酵の過程でビタミンB群などの栄養素が産生されるため、栄養価が高い食品が多いこともポイントです」(佐々木さん)
特に2位とダブルスコアに近い差をつけてトップに君臨した納豆は、「血液サラサラ」「更年期障害に効く」「老化が止まる」など、過去にも多くのテーマで堂々の1位に輝いている。1日2パック食べているという管理栄養士の浜本千恵さんがその魅力を語る。
「たんぱく質に食物繊維、善玉菌である納豆菌に女性ホルモンと成分が類似する大豆イソフラボンまで含まれている納豆は冷蔵庫に必ずストックしておく一品です。みそ汁に入れたり、オムレツの具材として使ったり、アレンジが利くところも魅力的。忙しい毎日でも『これさえ食べておけば大丈夫』と思わせてくれる最強食品といえるでしょう」
ランキングを見て、「医学的見地からも興味深い内容」と振り返るのは、工藤内科院長の工藤孝文さん。特に注目するのは、納豆と1位を争った、ヨーグルトの効能だ。
「ヨーグルトに含まれる乳酸菌には、血糖値の上昇を抑える効果やコレステロール値を下げる効果が期待できる。私が専門としている生活習慣病予防にも役立つため、現場でも積極的に取り入れています。乳酸菌とともに豊富に含むたんぱく質にも、胃腸の働きを助けるとともに糖の吸収を抑える働きがある。ただし、加糖タイプではかえって血糖値を上昇させやすくするため、無糖のものがおすすめです」(工藤さん)