朝のたんぱく質が“金”のワケ
トップ2の食品の共通点は「発酵食品」だけではない。筋肉を作るうえで欠かせないたんぱく質がたっぷり含まれている点も、高評価の対象となった。3位以下を振り返っても卵や豆腐、各種魚に肉とたんぱく質を豊富に含有する食品の名前が目白押しだ。
「たんぱく質が原料となるのは筋肉だけではありません。弾力のある肌や柔軟な関節を作るコラーゲンもまた、食品のたんぱく質がもととなっています。つまり美肌や丈夫な骨を維持するためにも、たんぱく質をたっぷり摂ることが重要なのです。
特に年齢を重ねるとともに筋肉や骨密度は減少しやすくなり、運動機能が全般的に低下する『フレイル』になりやすくなる。これを予防するためにも、たんぱく質の存在は必要不可欠です」(佐々木さん)
佐々木さんが推奨するのは朝食メニューを見直すことだ。
「朝は調理に割く時間が取れずパン1つとコーヒーなど簡単に済ませる人が多く、たんぱく質が不足しがちです。卵や豆腐やチーズなど調理の手間の少ない食品を常備しておいて、1品足すことを心がけてほしい。朝にたんぱく質を摂ると筋肉が増えやすいとの報告もあり、フレイル予防にもおすすめです」(佐々木さん)
たんぱく源としての効能に加え、それ以外の栄養素に注目する専門家も多かった。管理栄養士の金丸絵里加さんが特に推奨するのは4位にランクインした卵だ。
「とにかく栄養バランスがいい。小さな卵の中にたんぱく質やビタミンB類、鉄分やマグネシウムまでさまざまな栄養素がぎゅっと濃縮されている。ビタミンCと食物繊維以外はほぼ網羅されているといっていいでしょう。レシチンと呼ばれる脳を活性化させる物質が入っていることも推奨ポイントです」
高たんぱく食品はそのときの悩みや摂りたい栄養素に応じて選ぶべきとアドバイスするのは医学博士の福田千晶さん。
「たとえば牛肉や豚肉は鉄分が多いため貧血に悩む人は積極的に摂るといい。一方、さばやいわしなどの青魚には内臓脂肪を落とす良質な油分がたっぷり含まれているため、メタボリックシンドロームに悩む人に向いている。魚には魚ならではの、肉には肉ならではの栄養素があるため、両方をバランスよく摂ることを意識してほしい」