スポーツ

プロ野球大物OB座談会「新庄の言動に違和感はない」と見解一致

“ビッグボス”への注目度はやはり高い(写真/共同通信社)

“ビッグボス”への注目度はやはり高い(写真/共同通信社)

 プロ野球の「新監督」は常に注目されるが、今年は日本ハムの“ビッグボス”こと新庄剛志氏が話題を席巻。大物球界OBである江本孟紀(元南海ほか、野球評論家)、中畑清(元巨人、野球評論家)、達川光男(元広島、野球評論家)の3氏は来季の指揮官たちの手腕をどう評価するのか。【全3回の第1回】

中畑:オレも監督をやらせてもらったが、新庄のパフォーマンスはちょっとオレをパクっているところがあるかなぁ(笑)。もちろん目標は一緒だよ。ファンあってのプロ野球。それをしっかり考えているよね。最初は話題性でいくしかないんだから。

江本:清宮(幸太郎)に「やせろ」と命じて1週間で5キロほどやせてきた。そのやり取りが最高だった。清宮が「体重がないと飛ばない」と言ったら、新庄は「今も飛んでないじゃないか」とやり返した。頭の回転が良いよ。

中畑:今の時代にマッチしていると思う。達ちゃんはどうよ?

達川:我々と表現が違うだけで、指摘するポイントは正しい。ゆとり世代の選手に合うように言っとるよね。真っ白なワゴン車の上に立って、外野からの返球は高い球じゃいけないとバットで示してたけど、理に適っとる。

江本:オレも新庄の言動に違和感はないね。清さんじゃないけど、オレの二番煎じかなと……。奇抜なファッションや長髪、ヒゲは南海時代にオレがやっていたから。オフの「オールスタープロ野球12球団対抗歌合戦」では、みんな背広にネクタイなのに、オレだけエリを立てたジャンパーを着て“雪が降る~”と歌っていた。ONが迷惑そうな顔で見てたよ。

中畑:オレもDeNA時代は色々やったけど、昔のパ・リーグの不人気は半端じゃなかったからね。失礼いたしました(笑)。

江本:とにかく目立ったほうがいい。オリックスの中嶋(聡)監督なんか、日本シリーズで初めてこんな顔なのかと知ったよ。

達川:新庄は野球ではマジメですしね。僕がマスクをかぶっていて初めて新庄が打席に入った時、「お前が新庄か」と話しかけて1ストライク、「男前じゃのぅ」で2ストライク、「写真誌に気ぃつけよ」で三振。1回も振らない。「なんで振らんのや」と聞くと、「話を聞かなきゃいけないのかと思った」と言う。かわいそうになって、それから新庄の打席では一度も話しかけなかった(苦笑)。

江本:問題は新庄がどんなに頑張っても、この戦力で大丈夫なのかと。大田(泰示)、西川(遥輝)、秋吉(亮)を戦力外にしたけど、この3人以上の選手いる? 稲葉(篤紀)GMに聞いてみたいね。

中畑:とはいえ、日本ハムは若手の宝庫。吉田(輝星)や清宮を巻き込んだパフォーマンスをやって、育てていくんじゃないか。結果はさておき、最初は集客のためにも使うよね。

達川:日本ハムの弱点はインコースを使わないキャッチャー陣ですよ。上沢(直之)や伊藤(大海)とかいいピッチャーがいるだけに、FAで阪神の梅野(隆太郎)を獲れれば面白かったけどね……。まあ、阪神二軍コーチだった山田(勝彦)が引き抜かれ、あいつはインコースをよく使ったから楽しみ。江本さんはインコースをよく使っていたけど、どう見てます?

江本:オレのは勝手にいっただけだから(笑)。

(第2回につづく)

【プロフィール】
江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1971年に東映入団。1972年に南海へ移籍しエースとして活躍。阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしてもマルチに活躍。

中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1976年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNA監督を務めた。

達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1978年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一に。

※週刊ポスト2022年1月14・21日号

関連記事

トピックス

佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト
『あんぱん』の「朝田三姉妹」を起用するCMが激増
今田美桜、河合優実、原菜乃華『あんぱん』朝田三姉妹が席巻中 CM界の優等生として活躍する朝ドラヒロインたち
女性セブン
東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
大日向開拓地のキャベツ畑を訪問された上皇ご夫妻(2024年8月、長野県軽井沢町)
美智子さま、葛藤の戦後80年の夏 上皇さまの体調不安で軽井沢でのご静養は微妙な状況に 大戦の記憶を刻んだ土地への祈りの旅も叶わぬ可能性も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン