この2年間、彼女の姿をメディアで見ない日はなく、心ない報道や中傷になぜ絶望せずに闘い続けられたのか、最後に訊いてみた。
「それが自分の役回りなら仕方ないのかなって。ある先生が『君は女だから本音が言える』とおっしゃったのですが、元々出世から弾かれている分、言いたいことも言えますし、正論を貫けるだけでも私はよかったと思います(笑)」
言うべきことを言えない状況は国益を損ね、国民を不幸にするだけ。そうした日本全体を覆う閉塞感こそ、彼女の最大の敵なのだろう。
【プロフィール】
岡田晴恵(おかだ・はるえ)/共立薬科大学大学院修了後、順天堂大学で医学博士を取得。国立感染症研究所、ドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所、経団連21世紀政策研究所等を経て、白鴎大学教授。専門は感染免疫学、公衆衛生学。テレビやラジオへの出演、専門書や児童書、一般書や小説の執筆を通じて、感染症対策情報を幅広く発信中。163.7cm、B型。「この2年で体重は17kgも減りました」。
構成/橋本紀子 撮影/国府田利光
※週刊ポスト2022年1月14・21日号