小池のバトルといえば、かつてフジテレビ『大奥~華の乱』で演じた五代将軍綱吉の側室お伝の方を思い出す。低い身分の出身だが、唯一将軍の子を産んだ母として自信満々だったのに、上様は新たな側室・安子(内山理名)にご執心。ついに安子とつかみあい、殴り合いの本物のバトルに。挙句、身重の安子を納戸に閉じ込めてしまう。「覚えておくがよい」眉毛を塗りつぶし、目を吊り上げてつめをたてるお伝は、まるで化け猫! だが、嫉妬心むき出しの体育会系側室お伝は、どこか面白可愛いのである。これは今回の北条政子と似ている気もする。
歴史に詳しい春風亭昇太に「日本史史上最強のシングルマザー」と言われた政子は、頼朝亡き後、「尼将軍」とまで呼ばれる。歴史に残る働きっぷりも見ものだ。小池は脚本家から「代表作にしてください」と言われたという。
政子は、1979年の大河ドラマ『草燃える』では岩下志麻姐さんが、御家人たちににらみを利かし、2012年の大河『平清盛』では杏が、初回に毛皮のパンツルックのような勇ましい姿の政子として源氏の勝利を祝うなど、タフな印象を残している。
鎌倉の鶴岡八幡宮には、政子が造らせたともいわれる「源平池」があり、源氏側の池には島が三つで「産」につなげて発展を、平家側には島が四つで「死」で滅亡を願ったとの説がある。やるわー、政子。可愛いのにやっぱり強烈。小池政子、代表作になりそうな予感がする。