国内

政界は「レモン市場」 質の悪い議員を高値で売りつける政治の汚さ

取材に応じる木下都議 無免許都議、辞職を否定(写真/共同通信社)

胸元の開いた赤いワンピースで取材に応じる木下富美子被告(写真/共同通信社)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、元東京都議会議員・木下富美子被告のモラルの低さに見る“質の悪い議員”について。

 * * *
「おっしゃるほどたくさんでしょうか」

 交通違反を重ねた理由について裁判官に問われると、元都議の木下富美子被告はそう答えたという。この場でそう言ってしまえるとは、いったい彼女のモラルはどうなっているのか。この人は都議になる前からこういう人だったのか。それとも議員になってからこうなったのか。

 昨年7月の東京都議選の期間中などに、無免許運転を繰り返し在宅起訴されていた木下元都議の初公判が1月25日、東京地裁で行われた。昨年11月、2度の辞職勧告決議、3度の召喚状の末に登庁した時の赤いワンピース姿は衝撃的だったが、その後の会見で、辞職の決断理由として「父の安全が脅かされる事態になったから」、「議員として十分な仕事がさせてもらえない理不尽な現実に悩んだ」と語ったのには呆れた。

 今回の裁判では、「罰金を払うことで償いをしている認識」、「交通違反をすることで学習して、違反の内容に気を付けようという認識」と言えるほど順法意識が低かった。今さら辞職した人をあれこれ言っても仕方ないが…。

 SNSの普及により、今や議員などの公職に就く人が何か問題を起こせば、すぐに世間に知れ渡るようになった。全国の市町村では、暴言を吐いたり問題行動をしたり、事件や事故を起こしたりする議員が後を絶たない。許容範囲を越えたケースを目にする度に、選挙で投票する前に分からないものだろうかと思う。議員としての資質を本人がどう思っているかは別にして、有権者には彼らの詳しい情報は分からないのだ。そう考えると政界は、まるで「レモン市場」のように見えてくる。

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン