スポーツ紙4紙が見出しに“イナズマ(稲妻)”

 Yahoo!ニュースで「イナズマ純也」と検索すると、2月1日の試合前までは5本の記事しかなかったが、試合開始から2月2日15時現在までの間に19本も量産されている。同日発売のスポーツ紙では4紙が見出しに“イナズマ(稲妻)”を使った。

日刊スポーツ1面〈W杯王手弾 伊東 イナズマ純也 速さで敵置き去り 南野弾アシスト〉
スポーツニッポン裏1面〈4戦連発 稲妻 IJで W杯出場王手〉
サンケイスポーツ7面〈IJ イナズマ純也 伊東 4戦連発!!〉
デイリースポーツ7面〈伊東 4戦連発!! 「思い切って打った」イナズマミドルさく裂!!〉

 リードや原稿内に書かれた“イナズマ”系表現の回数と内訳は以下になる。

6回:日刊スポーツ(イナズマ純也4、金色のイナズマさん1、稲妻のようなスピード1)
2回:スポーツニッポン(金色の稲妻、イナズマ純也)
1回:サンケイスポーツ(イナズマ純也)
1回:デイリースポーツ(稲妻)
1回:日刊ゲンダイ(愛称の〈イナズマ〉のような)
0回:スポーツ報知
0回:東京中日スポーツ
0回:夕刊フジ
0回:東京スポーツ

“イナズマ”を使用しなかった新聞を見ると、見出しでスポーツ報知は『金狼弾』、夕刊フジは『金色の香車』、原稿で東京中日スポーツは『金髪のスピードスター』と綴っている。独自色の強い東スポは1面で〈南野 W杯王手弾 バルサ獲得へ動く〉と報じ、他紙と比べて伊東の扱いは小さかった。ちなみに、松木氏が当初候補に挙げた「ゴールデンパンサー伊東」はどこも使用していない。

 世帯視聴率20%の番組で、ニックネームを連呼する効果は大きい。ツイッターでもトレンド入りするなど、松木氏の名付けた「イナズマ純也」はサウジ戦で一気に広まった。気の早い話をすれば、このままW杯出場を決め、本大会でも“イナズマ純也”が活躍すれば、流行語大賞の可能性も出てくるだろう。もし受賞したら伊東純也だけでなく、名付け親の松木安太郎氏もぜひ授賞式に呼んでほしい。

■文/岡野誠:ライター、松木安太郎研究家、生島ヒロシ研究家。NEWSポストセブン掲載の〈検証 松木安太郎氏「いいボールだ!」は本当にいいボールか?〉(2019年2月)が第26回『編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞』デジタル賞を受賞。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)では本人へのインタビュー、野村宏伸など関係者への取材などを通じて、人気絶頂から事務所独立、苦境、現在の復活まで熱のこもった筆致で描き出した。

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