大人たちに反旗を翻す「クラス一の美少女」役で女優デビュー(『ぼくらの七日間戦争』(C)KADOKAWA 1988)

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 冬のロケはマイナス20度にもなる過酷な現場だったが、宮沢が現場に入ると場が和んだという。

「お風呂場のシーンでもそうですが、極寒のなかで純を待つシーンでも、30分近く外でひとりで待たされて、その間に髪の毛も凍って白くなっちゃうんだけど、『シュウ、真っ白くなっちゃったわよ!』とか『凍ってるわよ~』って冗談っぽく笑っていましたね。つらさを訴えることはなかったです」(杉田氏)

 そんな宮沢のことを、脚本家の倉本氏は「伊藤博文が愛した芸者のよう」と表現したそうだ。

「倉本さんとプロデューサーと私と3人で飲んだ時、倉本さんが『明治の元勲・伊藤博文が愛した柳橋の芸者っていたよなぁ。宮沢りえはまさにそういう人なんじゃないか』と。言い得て妙だと思いました。会った瞬間に人の心を捕まえて離さない。例えば偉い先生に会えばどんな人だって萎縮するけど、あの人はまったく臆さない。天真爛漫に、ポンと相手の気持ちに入っていく」(杉田氏)

太陽の輝きから月の光へ

 宮沢は決して順風満帆に女優人生を歩んできたわけではない。19歳の時に関脇・貴花田(後の横綱・貴乃花)と婚約するも、発表のわずか2か月後に破局。“りえママ”への批判、激痩せ……。米国サンディエゴに移住し、事実上、芸能活動を休止していた時期もある。

 だが、2002年公開の映画『たそがれ清兵衛』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞するなど、本格復帰後は演技力にますます磨きがかかる。

 映画『紙の月』(2014年)では、若い恋人のために横領事件を起こしてしまう銀行契約社員の主婦を演じ、東京国際映画祭最優秀女優賞に輝いた。前出・中森氏が語る。

「若い頃に鮮烈な活躍をした人ほど、その後の成長が難しい。でも宮沢さんは40代になって、若い頃にはできない難しい役をこなし、見事に花開いた。死ぬまで演じられる大女優です」

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