食べ順の理想は「ベジファースト」
献立はそのままでも血糖値上昇は抑制可能
糖尿病予備群は、「摂取量を減らす」「カロリーを減らす」よりも、栄養バランスや食べ方を重視すべき。ただし、炭水化物にかたよりがちな人なら、糖質オフはひとつの課題だ。そこで片山氏はひとつのアイデアとして“夜だけゆる糖質オフ”を勧めている。
「昼は交感神経が活動していて体脂肪が付きにくいが、夜は逆。夕食の後に果物や乳製品が食べたくても、それは翌朝にとっておくこと。血糖値の急上昇や急降下もなくなります」(片山氏)
また、献立を変えずとも、食べる順番、噛む回数、うつわ選びによって満腹感はアップする。外出先の食事でメニューの選択肢が少ない場合などは、ここからはじめよう。
【食べ順の理想は「ベジファースト」】
(1)野菜(副菜)
野菜、きのこ、海藻などは、低カロリーで食物繊維が豊富。最初に食べておくと糖質の急激な吸収を抑える効果あり。噛み応えがあるのも高ポイント。
(2)汁物
満足感がすぐに高まり食欲を抑えてくれる汁物も、はじめのうちに食べておきたい。野菜たっぷりの汁物にすれば、(1)と(2)を兼ねた1品としても成立する。
(3)肉や魚など(主菜)
たんぱく質も、ごはんの糖質に比べると血糖値の上昇はゆるやか。優雅にフルコースを食べている気分で、メインディッシュとして大事に食べ進めよう。
(4)ごはん
こちらは上品な会席料理の気分で、最後に〆のごはんを。(1)(2)(3)を食べてお腹いっぱいになっていたら、量を減らそう。1回の食事時間は15分を目安に。
【同じ献立でも、よく噛むだけで変化があり】
食事時間が今までの倍になるほど、よく噛んで食べること。ひと口につき20回噛むのが好ましいが、まずは「よく噛む」「ゆっくり食べる」を意識するところからスタートを。交感神経が刺激されることで胃腸の動きが活発になり、内臓脂肪の燃焼にも繋がっていく。同じ食事をドカ食いしたときより、血糖値の急上昇が抑えられ、エネルギーもスムーズに消費できるメリットがあるのだ。
【大盛りに見える食器が◎】
皿は深さや直径のサイズ次第で、同じ分量の料理でも多く見えたり少なく見えたりするもの。たとえば茶碗を一回り小さいサイズに変えると、よそうごはんの量が自然と減り、本人の気付かないうちに食べる量が減る可能性だってある。目でも楽しめる食事のこと、パッと見にも心を配りたい。
