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歯ぎしりが招く口腔トラブル 知覚過敏、片頭痛、肩こりになる人も

(写真はイメージ)

コロナ禍のストレスで歯ぎしりをする人が増えているという(写真はイメージ)

 夜、隣で眠っている夫、妻や子供の歯ぎしりがうるさくて眠れないという人は多いだろう──。眠っている間にギリギリと上下の歯をこすり合わせる歯ぎしりのことを「グラインディング」という。実はこのほかにも、上下の歯をカチカチと鳴らす「タッピング」、歯を食いしばる「クレンチング」と、歯ぎしりには大きく3種類ある。一説では、なんと9割の人が睡眠中だけでなく、起きている間も歯ぎしりをしているという。つまり、あなたも無意識に歯ぎしりをしている可能性が高いのだ。

 なぜ人は、起きているときも歯ぎしりをするのか。その原因は明らかになっていない部分が多い。幸町歯科口腔外科医院院長の宮本日出さんが解説する。

「起きている間の歯ぎしりは、歯並びやかみ合わせが悪いことや、スマートフォンやパソコンの使いすぎで姿勢が悪くなっていること、長時間ほおづえをつくことなど、さまざまな原因が考えられています。現状では、歯ぎしりによって無意識にストレスを解消しようとしているという説が最も有力です。

 本来、噛むという行為は、ものを食べるためだけではなく、敵を攻撃するための手段でもあります。人間は、歯ぎしり、つまり噛むことで、ストレスという敵に対処しているのではないかと考えられています。

 そしていま、このコロナ禍のストレスにより、歯ぎしりをする人が増えているという報告が世界各国で上がっています」

 イライラしているときや集中しているときなどに無意識に歯を食いしばってしまうのも、心身のストレスを軽減しようという本能なのだ。

 青木歯科院長の青木聡さんも、理想的な歯ぎしりなら、むしろ心身によい影響を与えると語る。

「歯ぎしりは、必ずしも“悪癖”ではありません。歯ぎしりをすることでストレスホルモンが減少するほか、ストレスなどが原因で起こる胃潰瘍などの面積が減少することが、動物実験で明らかになっています。脳にかかっている負担を、体の末梢を使って解消しているのです」(青木さん・以下同)

 しかしその一方で、習慣化すると危険な「悪い歯ぎしり」も少なくない。

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