悠仁さまの作文『小笠原諸島を訪ねて』(北九州市立文学館「第12回子どもノンフィクション文学賞」HPより)
さらに悠仁さまの作文を読み進めていくと、
《サンゴ礁は、海の中で最も多くの生き物がすむと言われるとともに、漁業が営まれ、人々に食糧を提供しています。また、サンゴ礁が育つ海は美しく、旅行者を引きつける観光資源でもあります。》
と、ある。これについても、国立研究開発法人の「国立環境研究所」ホームページにある研究者インタビュー(2014年収録)の中に以下のような文章が見つかる。
《サンゴ礁は海の中で最も多くの生き物がすむといわれています(中略)また、サンゴ礁では漁業が営まれ、人間に食料を提供していますし、美しいサンゴ礁は旅行者を引きつける観光資源でもあります。》
これらの類似点によって、コピペ(コピー&ペースト)をして書かれた作文なのでは、と問題視されているのだ。
悠仁さまが応募された文学賞の募集要項の「応募の注意」には、以下のように書かれている。
《他人の文章を勝手に使ってはいけません。使う場合は「 」で囲んだり、段落を落としたりして、自分の文章と他人の文章の区別がつくように工夫してください。また、どこから用いたかも必ず書いてください》
九段下総合法律事務所の伊倉秀知弁護士が解説する。
「この注意は、引用に関する著作権法の規定を説明したものです。引用については“公正な慣行に合致するもの”が認められると明記されており、法的なルールをかみくだいたものでしょう」
悠仁さまの作文には参考文献が1冊だけ書かれているが、前述の書籍やインタビューページのURLなどは明示されていなかった。
宮内庁報道室に確認すると、意外なことに「ご指摘に感謝します」との回答。続いて宮内庁を通した形で、悠仁さまからのお答えがあった。
「この旅行記は、悠仁親王殿下が、自らいろいろな文献等をお調べになり書かれましたが、参考文献の記載が十分ではなかったと振り返っておられました」
参考文献の記載漏れを認められたうえで、意図的な盗用は否定された格好だろう。
さらには今後について、「本件につきまして主催者に連絡いたしますとともに、ほかの箇所についても確認をされ、必要があれば正していかれたいとのことでございます」と、自らの作文を修正する意思を示された。