スポーツ

新庄ハムにもチャンスあり?「貧打でも守り勝つ」2011年の落合中日の戦い方

チーム打率は両リーグ最低の2割2分8厘ながら優勝を果たした2011年の落合中日(時事通信フォト)

チーム打率は両リーグ最低の2割2分8厘ながら優勝を果たした2011年の落合中日(時事通信フォト)

 3月6日、プロ野球オープン戦、日本ハム対巨人戦(札幌ドーム)をテレビ東京が生中継し、落合博満氏と中畑清氏が解説を務めた。監督就任以来、球界の話題の中心になっている新庄剛志ビッグボスを、落合氏はどう評価しているのか。

 落合氏は、就任会見で「優勝なんか一切目指しません」と言った新庄監督について「勝つためにやるのがプロ野球。優勝しなくていいというのが出てきた時点でクエスチョンマーク」と発言する一方で、「監督だから好きなことやればいいんじゃないですか。今までなかったことをやろうとしてるわけでしょ。だから、それに関してとやかく言うことはないでしょ」と理解も示した。プロ野球担当記者が話す。

「2人は、他人の顔色を気にしないで自分の考えを実行できる。そういう面で、似ている指揮官だと思います。なかには、フロントやマスコミ、ファンの反応を気にして、思い切った采配を振るえない監督もいます。むしろ、その方が多いでしょう。しかし、落合さんは親会社の新聞社を優遇することなく、徹底した秘密主義を貫いた。普通の監督ならどこかで妥協してしまいますが、落合さんは8年間全くブレなかった。新庄ビッグボスも、今後勝てなければ風当たりが強くなるでしょうけど、現役時代からの言動を見れば、自分の意志を貫き通すと思います」(以下同)

 日本ハムは昨年、12球団最低のチーム打率2割3分1厘、リーグ最低の得点454、本塁打78と打線が振るわず、3年連続の5位に沈んだ。オープン戦でもチーム打率2割2厘(3月8日現在)と打てていない。

「落合監督と新庄ビッグボスは、目指す野球も似ています。落合監督は『0点に抑えれば負けない』と投手力、守備力を整備して4度の優勝を果たした。新庄監督も『3対4』で勝つのを理想のスコアとしており、大量得点を狙う野球ではない。ともにスランプの少ない守備力を重視し、ノーヒットで1点を取ることを目指している。その意味で、今年の日本ハムには2011年の中日が参考になると思います」

 2011年といえば、統一球が導入され、全球団が飛ばないボールに悩まされた年だ。そのなかでも、中日は両リーグ最低チーム打率の2割2分8厘、419得点と極端に打てなかった。しかし、ヤクルトを振り切って優勝を果たしている。リーグ最低打率チームの優勝は川上哲治監督の1961年巨人、広岡達朗監督の1982年の西武、森祇晶監督の1987年の西武に次いで4度目であり、両リーグ最低のチーム打率での優勝は史上初だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト