稲田朋美/1959年、福井県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1982年、司法試験合格、1985年、弁護士登録。李秀英名誉毀損訴訟、「百人斬り」報道名誉毀損訴訟などに携わる
──でも、「女性だから」防衛相時代に改革できたこともあるでしょう。
「ええ、被災地の救援活動に泊まり込みで行く女性自衛官に替えの下着が配られていなかった状況を改善したり、海外派遣時も女性は荷物が多いので、現地に送れる数を2つまで認めたり……。女性自衛官の話に耳を傾けて、変えていきました」
──防衛相を辞めた後、二階俊博・幹事長の下で、筆頭副幹事長、幹事長代行と2年ほど働きました。当時はそれまでの“アイドル路線”とは打って変わって、雑巾がけに徹していた印象があります。
「そうですね。防衛相を辞めた後にすぐ慰労会をしてくださったのが、二階先生だったんです。すごく叩かれていた時期に花束を若手に持たせて、私に贈ってくれたりとか、とても温かい方だと思いました。二階さんの下で仕事をした人は、みんな二階さんを慕っています。私も見習いたい」
──二階さんは政界の寝業師とも呼ばれていますが、近くにいると政治の裏技を学べるものですか。
「ぜーんぜん。二階先生は権謀術数とかそういうタイプではなくて、むしろもっと純ですね。売られた喧嘩は買う、みたいなね。意外でしたけど、二階先生は女性活躍にものすごく理解があるんです。お母さんが女医さんの走りだった方ですからね。私には、常に『女性の仲間をつくれ』っていうことを言ってくださって、それが『女性議員飛躍の会』(前出)をつくるきっかけになりました」
(第4回につづく)
【プロフィール】
稲田朋美(いなだ・ともみ)/1959年、福井県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1982年、司法試験合格、1985年、弁護士登録。李秀英名誉毀損訴訟、「百人斬り」報道名誉毀損訴訟などに携わる。2005年に初当選後、内閣府特命担当大臣(規制改革)、国家公務員制度担当大臣、防衛大臣、自民党政調会長、同幹事長代行などを歴任。衆院福井1区選出、当選6回。
【インタビュアー・構成】
常井健一(とこい・けんいち)/1979年茨城県生まれ。朝日新聞出版などを経て、フリーに。数々の独占告白を手掛け、粘り強い政界取材に定評がある。『地方選』(角川書店)、『無敗の男』(文藝春秋)など著書多数。政治家の妻や女性議員たちの“生きづらさ”に迫った最新刊『おもちゃ 河井案里との対話』(同前)が好評発売中。
※週刊ポスト2022年4月1日号