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昭和のアイドル“御三家”デビュー年に全員紅白 武器は「圧倒的な若さ」

西郷さんや御三家は青春だった

西郷輝彦さんや御三家はみなデビュー年に紅白(写真/女性セブン写真部)

 橋幸夫とデュエットする吉永小百合をうらやましく思い、舟木一夫の詰め襟姿に憧れの先輩の面影を重ね、西郷輝彦の情熱的な歌声に恋をした?─1960年代、戦争の爪痕からようやく復興のときを迎えた日本にさっそうと現れた3人の輝きは、半世紀以上経った現代もまったく色あせない。

 1947年に鹿児島県で生まれた西郷輝彦さん(享年75)の歌手デビューは1964年。17才だった。デビュー曲の『君だけを』で一気にスターダムにのし上がり、同じく1960年代に活躍した橋幸夫(78才)、舟木一夫(77才)の2人とともに「御三家」と称された。

 実力と人気ぶりはその呼び名に恥じることなく、3人全員がデビュー時に日本レコード大賞新人賞を獲得し、年末の『NHK紅白歌合戦』に初出場する精鋭だった。都内在住の75才女性が愛しそうに当時を振り返る。

「私は西郷さんと同い年で、『こんな素敵な人が、隣の高校にいたらいいな』と思いながら女子校に通っていました。同じクラスの友達は、2つ上の舟木一夫さんの『高校三年生』が大好きで、聴くたびに『近所の年上のお兄さんの顔が浮かんでドキドキする!』といつもうれしそうに話していました。御三家の曲はいまでも同年代でカラオケに行くと全員歌えます。これってすごいことですよね……」

 芸能リポーターの石川敏男さんも当時の熱狂ぶりを懐かしむ。

「『ビッグ3』ともいわれていて、彼らが1曲歌えばすぐに30万枚、40万枚のレコードを売り上げるのが当たり前。夜行列車に乗って全国にコンサートに出かけて、また夜行列車で帰ってきていた時代です。街頭やテレビ、ラジオなどあらゆるところで毎日3人の歌が流れていて、世代に関係なく誰もが口ずさんでいました」(石川さん)

 三者三様の個性も、人気ぶりに拍車をかけた。

「西郷さんはよく、『ぼくはあの2人の永遠の年下なんです』とおっしゃっていました」

 そう振り返るのは作詞家で、西郷さんに歌詞を提供した経験もある湯川れい子さんだ。

「“御三家”とひとくくりにされていますが、芸歴には少しずつ差があり、ある種の兄弟関係がありました。3人のうち最もデビューが早かったのが1960年の橋幸夫さん。橋さんが『潮来笠』を歌っていた頃、西郷さんはまだ鹿児島の小学生でした。橋さんに続いて1963年に舟木一夫さんが『高校三年生』でデビューしますが、西郷さんはこの曲を最初のレッスンで歌ったそうです。だから『永遠の年下』だというんです。『何でも“はいはい”とついていけばいい、気楽な立場なんですよ(笑い)』と話していました」(湯川さん)

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