国内

“政権No.2”野田聖子氏が明かす 自民党の女性議員が妙にマッチョになる理由

野田聖子(のだ・せいこ)/1960年、福岡県生まれ。上智大学外国語学部比較文化学科卒業後、帝国ホテルに入社。1987年、岐阜県議会議員(当時最年少)に

「自民党女性議員が妙にマッチョ」とはどういう意味か

 日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第3弾に登場するのは、過去に何度も断念した自民党総裁選に昨年やっと出馬を果たした野田聖子・男女共同参画担当相(61)だ。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。第1弾(高市早苗氏)、第2弾(稲田朋美氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。話題は、「自民党の若手に『ミスター生理』がいる」という件に……。【全5回の第2回。第1回から読む

──宮路拓馬さん(内閣府政務官)は私と同じ42歳、衆院3回生。どうして男性議員が「ミスター生理」と呼ばれているんですか?

「これからのイケてる男性は女性の立場に立って生理の大変さを語れる、みたいにわが党も変わってきたの。宮路拓馬君の他にも、鈴木隼人君(当選3回)、川崎秀人君(同1回)、鈴木英敬君(同1回、前三重県知事)といった、女性議員よりもジェンダー平等を語る若手が増えてきている。妻を大切にするためには、子育てを手伝うだけでなく、男性たちが生理(女性の体)を理解しなきゃと、科学的に勉強しているんです」

──ジェンダー政策新人類!

「女性の仕事の出力は男性と変わらないはずだけど、どうしても生理中は3分の1になってしまうんです。そういうことを真面目に議論して、生理がリスクにならないよう、社会にビルトインさせた仕組みをつくらなきゃいけないって。女性特有の悩みを先端技術で解決する『フェムテック振興議員連盟』を党内でつくって。私が会長に就任したけど、女性議員よりも男性議員のほうが多くて、もう、私はいつでも安心して死ねる!」

──だけど、どうして女性議員の参加が少ないのでしょう。

「自民党にありがちなんだけど、若くて美しい女性議員ほど女性政策をやるのを嫌がるのね。マッチョなことをやらないと一人前に見られないっていう錯覚を起こして、『国道の予算をつけました!』というようなことばかりになっちゃうの。一番やるべきことは少子化対策だとわかっているのに、遠慮しちゃうよね」

田中眞紀子氏「あんたもバカね」

──若い女性ほどマッチョな言動に走る自民党。ネット上で炎上した人もいますね。どうしてなんですか?

「地方の支持者の中には中小企業の男性経営者が多くて、みんな2代目、3代目じゃないですか。家父長制的な傾向が強いから、女性は家庭にいるべきだっていう考えです。少子化も女性が働きに出たことが原因だと言う。そういう人たちにとって、女性が総理になることって日本最大のタブーだと思うの」

──この連載「女性総理、誕生!」は、日本のタブーを侵している(笑)。

「自民党はそういう人たちに支持されているので、彼らに嫌われると損だというリスクヘッジが働きます。やっぱり浮動票は目に見えないから、身近にある固定票に飛びつく。じゃあ、どうして自分は女性なのに議員として家の外で働いているのか。『趣味でやっています』って開き直って、自分の生き様と違うと知りながらも、『夫婦別姓反対!』と叫んじゃうの」

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト