時代の変化も影響したのだろう、秋篠宮家は皇室に「選択の自由」を取り入れた。自らの意志で国際基督教大学に進んで青春を謳歌した眞子さんや佳子さまはその恩恵を充分に受けられた。
象徴的なのが、眞子さんと小室圭さんの結婚だ。眞子さんは世論の反対を押し切って渡米し、佳子さまは「姉の一個人としての希望がかなう形になってほしい」とその背中を押された。だが、公的な存在の皇族方のプライベートを考える際には、さまざまな問題が横たわる。「皇族に生まれたからには、自由や権利が制限されてしかるべき」という論もある。なかでも「天皇になる者」は著しく忍耐を求められる。憲法学者の木村草太さんが指摘する。
「皇族のなかでも皇位継承権を持つ方は、将来天皇の地位につき得ることから、慎重な行動を期待されます。天皇になれば憲法上の諸々の自由の代わりに、身分に伴う義務と特権を帯びることになります」
悠仁さまも姉2人と同様、自由に進学先を選択されている。つまり「選択の自由」をご存じなのだ。
「皇族の地位にとどまっている限りは、その身分に伴う制限を受け入れることに同意があるということになります。一方、現行の制度では、悠仁さまは天皇になることを自らの意志で拒否することができます。ただ、国民の側から見ると、天皇制がないと憲法上もいろいろと困る仕組みになっているのは事実です」(前出・木村さん)
宮内庁関係者が続ける。
「仮に即位しないということが起きたら、憲法に規定された『国民の統合の象徴』が失われて、天皇の承認と任命が必要となる内閣や国会が行き場を失い、国家そのものの根幹が揺らいでしまう。つまり、現実的に悠仁さまには即位に対して選択の自由がないのです」
天皇になれば、より強い制約を受けられることになる。秋篠宮家の“自由”を知られた悠仁さまは、自由のない天皇というお立場に苦しまれることになるかもしれない。
※女性セブン2022年4月7・14日号