ストレスを感じたら「自分のケア」を
前出の八木所長は、戦争報道との向き合い方にはいくつかの“コツ”があるという。
「米国退役軍人省では、『ニュースを見て不安やストレスを感じる』『ニュースから目が離せない』『リラックスしたり楽しんだりすることができない』『よく眠れない』といった変化が見られた場合には、戦争報道に触れる量を減らすことを勧めています。
コツとしては、『寝る間際にニュースを見ない』『テレビよりも新聞や雑誌から情報を収集する』『戦争について、周りと話すことで情報を得る』といったことが挙げられるでしょう」(八木所長)
もしも精神的ストレスを感じてしまった場合は、「自分のケアを優先すること」が一つの対処法となるようだ。
「他のニュースを見ている時よりも『ドキドキする、もやもやする、どんよりする』といった反応がしばらく続くようであれば、自分のケアを優先することが望ましいです。
そのためには『情報のインプットを止めること』『それまでに蓄積しているエネルギーを発散すること』『回復のために休養すること』が重要です。
具体的には『ニュースを追いかけることを止める』『信頼できる人と話す』『散歩、ヨガなど軽い有酸素運動をする』『腹式呼吸などリラクゼーション法を取り入れる』といった対処方法が考えられます」(同前)
「つらい気持ちを周囲の人と共有することも対処法になる」と言うのは、前出の海原医師。
「つらい時には映像を無理に見ないことも大事ですし、『つらい、悲しい』と感じたときは周囲の方にその気持ちを話したり伝えたりしてください。同じように感じている方と気持ちを分け合うことはこころのサポートになります。
ウクライナに関する報道を見て、『助けたい』と思ってもできないもどかしさが強くなり、つらい気持ちになる方がいます。身近でできる支援の方法を調べるなどして、自分ができることを少しでもしていくことなどもいいと思われます」(海原医師)