「内受容感覚をコントロールするためにも、適度に脳を休ませ、必要以上に働かせないこと。無心になって、自分の体に意識を向けることが大切です」
また、数々の五輪選手の指導に携わったメンタルトレーナーの高畑好秀さんは、「内受容感覚をコントロールする力は、“ここぞ”という場面で発揮される」と語る。
「五輪でメダルを取るような選手であれば、自分の体のことはよく理解しています。思わぬけがや体調不良に見舞われたときも、その状態をしっかりと受け入れて、出せる力を最大限に生かすようにします。どんなときもぶれることなく、柔軟性がある人は、内受容感覚がきちんとコントロールされていると考えられます」(高畑さん)
【プロフィール】
脳内科医・加藤俊徳さん/加藤プラチナクリニック院長。脳の学校代表。これまで1万人以上の脳を診断、治療を行う。近著に『名医が実践する 脳が変わる超・瞑想』(サンマーク出版)がある。
メンタルトレーナー・高畑好秀さん/アスリートや囲碁・将棋士、芸能人らにメンタルトレーニングの指導を行う。近著に『不安定な世の中を生きる7つのヒント 心を強くする小さな習慣』(ザメディアジョン)がある。
慶應義塾大学教授・皆川泰代さん/言語心理学、発達心理学、認知神経科学が専門。スマートウォッチを用いた内受容感覚と緊張緩和の共同研究に取り組み、その効果を実証した。
取材・文/廉屋友美乃 イラスト/坂木浩子(ぽるか)
※女性セブン2022年4月21日号