日中の強い眠気は怖い病気のサイン
たとえ日中に眠気が出たとしても、その理由がこの時期特有のものならば問題はない。しかし西野さんは、眠気の裏に重大な病気が隠れている可能性があると指摘する。
「特に気をつけてほしいのは、睡眠時無呼吸症候群です。夜中に何度も呼吸が止まり低酸素状態になるため、長くて深い睡眠が取れずに昼間に強い眠気が出ます。中等度以上の睡眠時無呼吸症候群の罹患者は、男性で5%、女性で2%。さらに恐ろしいのは症状に気がつかず治療せずにいれば、さらに大きな病気を引き起こす可能性があることです」
睡眠時無呼吸症候群の罹患者を追跡調査したデータによれば、脳梗塞や心筋梗塞を発症するリスクが高く8年後には4割が亡くなっていた。
「長期にわたる睡眠障害は体力を奪い、免疫力も低下させます。新型コロナウイルスに感染した人のうち、35.4%が睡眠時無呼吸症候群の罹患者だったという調査結果もありました」
脳や神経の不調や疾患が眠気として表れるケースもある。
「脳神経の働きが鈍くなって機能が低下した結果、眠気が出ることがあります。また、うつ病の場合、睡眠ホルモンの『メラトニン』や精神を安定させる『セロトニン』の分泌障害が起こり、朝に布団から出られなくなる人は少なくない」