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命に関わる副作用があることも

 悪夢はまれなケースだが、スタチン製剤にはほかにもいくつかの副作用が報告されており、最も代表的なのは、筋肉がダメージを受けてひどくなると、呼吸困難の恐れすらある「横紋筋融解症」だ。

「軽ければ肩こりや筋肉痛程度の症状であるため、気づかないままのみ続ける人も多いです。しかし重症化すれば命の危険がある重篤な状態を引き起こすケースもあります」(松田さん)

 副作用が命にかかわる可能性を持つ薬はほかにもある。長澤さんは糖尿病の薬の危険性を指摘する。

「糖尿病治療薬の『メトホルミン塩酸塩』は肝機能障害を引き起こす副作用があります。肝臓には痛みを感じる神経がなく初期は無症状のため、いつの間にか臓器が破壊され、気づいたときには手遅れで亡くなってしまう人もいます」

 症状を抑えるために服用したはずの薬で病気が悪化する恐ろしい事例もある。

「慢性的な胃痛を抱え、胃腸内科で胃液の分泌を減らして胃痛を取る『プロトンポンプ阻害薬』を処方されて10年以上ものんでいる患者がいました。しかし症状は一向によくならず、そればかりか胃に大量のポリープができてしまった。にもかかわらず担当医からは大丈夫だと言われ、定期的に胃カメラをする以外は何の対処もされなかったそうです。

 にっちもさっちもいかなくなり当院で診察したところ、ポリープの原因は薬による過剰な胃液の分泌の抑制であると判断し、すぐに服用の中止を指示して、漢方と重曹に切り替えました。すると6か月でほぼすべてのポリープが消えました」(松田さん)

 高瀬さんは、胃薬が認知機能の低下を招く可能性を指摘する。

「胃薬の『H2受容体拮抗薬』は、胃酸の分泌を抑えて胃痛を取る『抗ヒスタミン薬』の一種です。ですが高齢者がのむと、せん妄や認知機能の低下のリスクが高くなることが報告されています。実際に抗ヒスタミン薬でせん妄が生じて錯乱状態になり、1日20回も病院に電話をかけてきた患者が、薬をやめたら平常の状態に戻ったケースもあります」

※女性セブン2022年5月5日号

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