国際情報

北朝鮮が最高額紙幣の10倍にあたる5万ウォンの金券発行 インフレ抑制の狙いも

北朝鮮で5万ウォン札が発行されていた(AFP=時事)

5万ウォンの金券は今年初めに発行されたという(AFP=時事)

 北朝鮮の中央銀行が、現在流通している最高額紙幣である5000ウォン札(約111円)の10倍の5万ウォン(1114円)に相当する金券を新たに発行していたことが明らかになった。5万ウォンの金券の流通枚数など詳しいことは不明だが、今年初めに発行され、企業間の取引用として使われているという。

 5万ウォンの金券を個人用に流通させずに、企業間での限定的な流通にとどめているのは、北朝鮮当局がインフレを抑制しようとしていることを示す可能性もあるとみられる。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 5万ウォンの金券には朝鮮中央銀行の名前が記され、発行日は「チュチェ111」(北朝鮮の暦で、建国者・金日成の生誕年である1912年から始まる現在の年)であることが示されている。背景には、中朝国境にある北朝鮮の聖地、白頭山が描かれている。

 北朝鮮の紙幣は、5ウォン札から5000ウォン札まであり、市民は通常、ドルや中国元などの外国通貨と北朝鮮ウォンを組み合わせて商品やサービスの代金を支払っている。

 北朝鮮経済に詳しい韓国の政府筋はRFAに対して、「北朝鮮の中央銀行は単に高額紙幣を発行するのではインフレを引き起こすので、経済状況が良くなったときに換金できる金券を流通させているのではないか」との見方を明らかにしている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン