スポーツ

平松政次氏 佐々木朗希の名球会入りに向けて助言「しっかり走り込んで」

平松政次氏は佐々木朗希をどう見るか

平松政次氏は佐々木朗希をどう見るか

 前代未聞の完全投球で無限の可能性を感じさせるロッテ・佐々木朗希(20)。球界のOBはどのように佐々木の活躍を見守っているのか。

 V9時代の巨人相手に勝ち星を量産した大洋のエース・平松政次氏(通算201勝)は「163キロのストレートがメインで、フォークが150キロ。そりゃ打てませんわ」と驚嘆の声をあげる。

「リリースポイントが一定で、ストレートもフォークも同じところで放すからバッターは狙いが絞れない。体の大きさ、腕の長さ、腕の振りの速さ、筋肉の強さなどが複合してあのスピードになっている。我々の時代を遥かに超えていますよ。あのフォームで中学時代から投げてきたんでしょうが、直球のスピードが鈍る歳になるまで同じスタイルでやっていけばいい。バッターも研究してくるだろうけど、投げ損ないを見逃さずに打たないと、外野にもボールが飛ばない状況が続くと思うよ」

 この先に「また何度も完全試合のチャンスがあると思う」と語る平松氏は、今季の登板で「ストレートが何球かシュート回転していたことだけが気になる」と付け加えた。

「シュート回転は体が突っ込んで手が遅れるかたちで投げると生じるもので、失投になりかねない。特に右ピッチャーが左打者の内角にストレートを投げた時にシュート回転して真ん中にいくと、一流の打者は見逃しません。もちろん佐々木の場合は160キロの直球だから多少のシュート回転でも打たれていないが、これがズバッと左打者の内角、右打者の外角に決まり続けるようになれば、バッターは手も足も出ない」

 現役時代は“カミソリシュート”を武器にした平松氏だが、その決め球はストレートを意識してシュート回転させるイメージだったという。

「意識してストレートをシュート回転させるのと、意図せざるシュート回転とでは天と地ほど違う。佐々木もそこは課題だと思います」

 12年連続2ケタ勝利をあげた平松氏は、佐々木の名球会入り(通算200勝以上)に向けては「とにかく練習をやること」とシンプルな答えだ。

「しっかり走り込んで、投げ込んで、トレーニングする。これだけです。シーズン中も含め一年中走っていないといけない。私も走って疲れをとりましたが、鍛えてマイナスなことはひとつもない。今の佐々木の投げ方は肩やヒジに負担がないんです。そうでなければ8回に163キロなんて投げられませんよ。佐々木は日本の宝です」

【プロフィール】
平松政次(ひらまつ・まさじ)/1947年生まれ。1967年に大洋に入団。1970年には25勝(6完封)をあげ最多勝に輝く。3者連続3球三振の記録も。通算201勝。

※週刊ポスト2022年5月6・13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》王貞治氏・金田正一氏との「ONK座談会」を再録 金田氏と対戦したプロデビュー戦を振り返る「本当は5打席5三振なんです」
週刊ポスト
梅宮家
“10日婚”が話題の梅宮アンナ、夫婦生活がうまくいくカギは父・辰夫さんと比較しないこと「昭和には珍しかった父親像」
NEWSポストセブン
打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン