(c)テレビ朝日 自分の思うがままに自由に生きる妖怪たちと関わる中で夢もみつけていった澪(小芝風花)だが・・・。

(c)テレビ朝日 自分の思うがままに自由に生きる妖怪たちと関わる中で夢もみつけていった澪(小芝風花)だが・・・

闇落ち妖怪にもある見習うべきところ

 毎回、ドラマに出てくる妖怪にまつわる話が小ネタっぽく挟まれる。あまり妖怪を知らなくても、ちょっとした知識が得られて楽しい。

「妖怪が現代にいて、社会とうまく共存している様子が面白い」とは、ドラマを勧めてくれた友人のセリフだ。たしかに妖怪たちのドラマ内でのキャラクターと、多くの人が持つ妖怪のイメージがほどよくリンクしているのも心憎いところだ。

 例えば第1怪(第1話)に登場した河童は、会社の社長でもあり、女性たちにモテモテなイケメン水泳コーチという設定。『エロ河童』という言葉がハマる絶妙さに笑えた。

 今シーズンでは、闇落ちしてしまった妖怪たちがトラブルを巻き起こす。闇落ちした妖怪たちは、シェアハウスの妖怪と澪らに出会い、自らのねじれた考えに気づいて道を正すのだが、その素直さがまた気持ちいい。

「素直に非を認めて謝るのって、かっこいいものだな」と見習いたくなるほどだ。

 それによく考えたら、闇落ちは人間でもあることではないか。人間関係がこじれた結果、相手に過剰な嫌がらせするなど、負のスパイラルに堕ちていくケースは残念ながら珍しくない。

「妖怪だから悪さをする」といった先入観で決めつけてはいけないのだと気づかされる。

トラウマの乗り越え方も見つけられる「現代の民話」

 妖怪や幽霊を題材にした民話や伝承には、「約束を破ると取り返しがつかない」「ズルをすると結局、損をする」といった教訓がつきものだ。子ども向けの昔話ならそこで終わり。

 だがもっと読み込めば、欲や嫉妬、差別、恨みといった人の業が根底にあるとわかる。

 このドラマは一方的に悪い妖怪を成敗するのではなく、その背景にある人の業やトラウマ、社会のひずみを浮かび上がらせる。そして自分を含め誰にだって、大なり小なり業があると、教えてくれる。

「呪い」「何かに取り憑かれたように闇落ち」なんて言葉を聞いて、ナンセンスだとか、現実を見ない人の言い訳だと一笑に付す人もいるだろう。その一方で、良くないことが起こると心のどこかで気になってしまうのが人間だ。

 じゃあ「呪い」や「取り憑かれること」「闇」の正体はなんなのだろう? 

(c)テレビ朝日 小芝風花は「続編や映画化したいねと話していたので、夢が叶って本当に幸せ!」と。

(c)テレビ朝日 小芝風花は「続編や映画化したいねと話していたので、夢が叶って本当に幸せ!」と。

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