ライフ

岡田晴恵氏が指摘するBBQでのO157リスク「肉はよく焼き、箸は肉用と食べる用に」

O157に代表される「腸管出血性大腸菌感染症」の恐ろしさとは

O157に代表される「腸管出血性大腸菌感染症」の恐ろしさとは

 今もその対応に悩まされている新型コロナウイルスだけでなく、人類は様々な感染症とともに生きていかなければならない。白鴎大学教授の岡田晴恵氏による週刊ポスト連載『感染るんです』より、O157に代表される「腸管出血性大腸菌感染症」についてお届けする。

 * * *
 新緑の季節、野外でバーベキューを楽しむ人も多くなるこの時期は、腸管出血性大腸菌感染症が心配になります。連休前の講義では、学生さんに「肉は“よく焼き”にして、肉用と食べる箸を分けなさい」などと注意しています。

 腸管出血性大腸菌はO157などが有名ですが“毒素”を産生して、出血を伴う腸炎や、溶結性尿毒症症候群など重篤化し死亡することもある重大な合併症を起こしたりする怖い細菌です。

 2011年には、生肉のユッケで死亡事故が起きました。生肉、生レバーの摂取は避けたいです(豚と牛の生レバーは飲食店での提供が禁止されています)。また、50個から100個程度の極めて少ない菌数でも感染が成立しますから、生肉に使った箸で口にものを入れるのは厳禁なのです。

 そして、この菌には水の中で長期間生存する性質があります。1990年には埼玉県の幼稚園で井戸水が原因でO157の集団感染が起こりました。井戸水の適切な管理も必要なのです。

 この菌に汚染された食品や水などから人の口に入ると、通常3~4日の潜伏期を経て、激しい腹痛を伴った水様便が出て発症します。続けて著しい血便となることがあり、血便は徐々に血液の量が増して、便の成分が少なくなります。さらに患者のうち6~7%は下痢などの症状が出てから平均7日(2週間以内)で、前述の溶血性尿毒症症候群や脳症などの重篤な病気に進行することがあります。大事なことは自分の判断で下痢止めを飲まないで、速やかに医療機関を受診することです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
国仲涼子が語る“46歳の現在地”とは
【朝ドラ『ちゅらさん』から24年】国仲涼子が語る“46歳の現在地”「しわだって、それは増えます」 肩肘張らない考え方ができる転機になった子育てと出会い
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
インフルエンサーの景井ひなが愛犬を巡り裁判トラブルを抱えていた(Instagramより)
《「愛犬・もち太くん」はどっちの子?》フォロワー1000万人TikToker 景井ひなが”元同居人“と“裁判トラブル”、法廷では「毎日モラハラを受けた」という主張も
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン
千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン