「特に中高年の女性から多いのは、ひとりだと入院が必要となった際に身元保証人がいなくて不安だという声です。また50才を超えると、『遠方にひとり暮らしする母親の介護をどうすればいいか』という相談が多くなります。独身女性は年を重ねていくほど、『親の介護』がリアルな問題になります」(中村さん)
近年は気ままにひとり暮らしを楽しむ「おひとりさま」がブームだが、ひとり暮らしの中高年女性からは「生活が苦しい」との悲鳴があがる。都内でひとり暮らしをする石村裕子さん(仮名・63才)が肩を落として打ち明ける。
「10年前に夫と離婚してシングルになりました。その際に財産分与で1500万円ほど受け取りましたが、精神的に苦しかった結婚生活の反動もあり、3年足らずで1000万円を消費してしまった。離婚後は第二の人生を謳歌するつもりでしたが、すでに底を突きつつある老後の資金が心配です。自由と不安定は背中合わせだと肌で知りました」
若い頃なら再婚を視野に入れることもできるが、高齢になると簡単ではなくなる。坂口さんは、高齢になるほど単身女性は不利になると指摘する。
「統計では、年を取るほど食費や光熱費、美容代などにお金がかかるようになり、日常生活のコストが増しています。また、病気になる確率も高くなるし、不慮の事故に遭うかもしれない。そうしたとき、経済的な負担をひとりで背負わなければならず、収入はないので、当然生活は苦しくなります」(坂口さん)
※女性セブン2022年5月26日号