国内

神戸山口組幹部自宅に車両突っ込み事件 分裂抗争再燃か、変化する六代目山口組の動き

分裂抗争再燃か(六代目山口組の司忍組長/時事通信フォト)

分裂抗争再燃か(六代目山口組の司忍組長/時事通信フォト)

 山口組分裂から7年が経とうとしているなか、六代目山口組による神戸山口組を狙った抗争事件が多発している。

 5月8日未明、大阪府豊中市にある神戸山口組の“ナンバー2”入江禎・宅見組組長自宅に車両が突っ込む事件が発生した。

「事件当時、入江組長は在宅していました。深夜だったとはいえ、入江組長宅は高級住宅街にあり、近隣住民が巻き込まれる可能性もあった。警察は逮捕した男を六代目山口組と関係があるとみて捜査しています」(全国紙社会部記者)

 照準は神戸山口組の中心組織だった池田組にも向けられている。3月4日に、愛媛県四国中央市の傘下組織事務所に車両特攻、4月22日には宮崎市の傘下組織事務所を襲撃、5月3日には岡山市にある関連施設に車両特攻と、立て続けに3件もの事件が起きた。いずれも六代目山口組側の組員が逮捕されている。フリーライターの鈴木智彦氏が語る。

「池田組は2020年7月に神戸山口組から離脱し、独立組織となっています。しかし、7年前の分裂時に六代目側は、池田組の池田孝志組長を分裂の首謀者として『絶縁』処分にしています。六代目側からすれば、離脱したとしてもターゲットであることは変わりないという意思表示でしょう。

 抗争とは距離を置いてきた宅見組に対しても、これまでは組員同士の突発的な衝突こそあったものの、六代目側は大がかりな抗争事件を起こしてこなかった。ここにきて分裂抗争に変化が起きていると言えます」

 これまでも山口組の分裂抗争で市民は幾度となく恐怖に脅えてきた。2019年11月には兵庫県尼崎市の商店街で、神戸山口組の最高幹部が自動小銃で射殺されたが、事件は人通りの多い夕方に起きた。今回もわずか2か月の間に全国で4件もの抗争事件が起き、予断を許さない状況が続いている。

「六代目側は神戸側の組員を復帰させる“切り崩し”による弱体化を狙っていましたが、神戸山口組の井上邦雄組長は持久戦の構えを崩さず、膠着状態が続いていた。今年、六代目山口組の司忍組長は80歳になり、高山清司若頭も75歳になる。時間的猶予もなく、これまで以上に神戸側へ抗争をしかけていくのではないか」(鈴木氏)

※週刊ポスト2022年5月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン