スポーツ

プロ野球はなぜ「投高打低」なのか? SB千賀は「3割打者はいなくなる」と予言

「投高打低」の理由は?(写真/共同通信社)

「投高打低」の理由は?(写真/共同通信社)

 2022年のプロ野球では、なぜか“快挙”が相次いでいる。ロッテの佐々木朗希が4月10日のオリックス戦で完全試合を達成。28年ぶりの快挙と話題になったが、翌週にも佐々木は8回を投げて降板するまで完全投球を続けた。佐々木だけが凄いのかと思いきや、5月に入ると中日・大野雄大が6日の阪神戦で9回までパーフェクトピッチングを続け、延長10回を投げて1安打完封。同11日にはソフトバンクの東浜巨がノーヒットノーランを達成した。

 異様な「投高打低」は決して印象だけではない。データで見ても明らかだ。プロ野球のデータ分析に詳しいスポーツジャーナリスト・広尾晃氏が指摘する(数字は5月15日時点)。

「セ・リーグの平均打率が.244、パ・リーグが.231で、近年の水準に比べて1~2分も下がっている。特にパの貧打は明らかで、長打率は例年4割前後あるのが.337に留まっています。両リーグともに打率、長打率は“飛ばないボール”の統一球が導入されて投高打低が顕著だった2011~2012年の数字さえ下回っています。

 当然、投手の成績はよく、平均防御率を見るとセは3.35と近年のなかで最もいい数字で、さらに凄いのがパの2.90。2004年に最優秀防御率を獲得した松坂大輔と同じ数字です」

 個人成績で見てもパの投手の充実ぶりははっきりしている。防御率はオリックス・山岡泰輔の0点台を筆頭に、1点台がロッテの佐々木を含め7人もいる。昨年の同時期に0点台はおらず、1点台も2人だけだった。

「投手が抑えて走者が出る機会が少ないと試合時間は短くなる。今季の平均試合時間はセ・パともに3時間5分。NPBは試合時間短縮キャンペーンを長く打ち出しつつも、なかなか“3時間10分の壁”を破れずにいたが、あっさり突破する勢いです。本塁打数も激減しています」(広尾氏)

 今季はMLBでも打率や本塁打数が全体的に低迷しているが、こちらは公式球が以前よりも「飛ばないボール」で統一された影響とされる。それゆえ一部では、“日本も去年より飛ばないボールになったのでは?”とも囁かれるが、統一球をNPBに納入するミズノに聞くと、「今まで同様で何も変わっておりません」(広報担当者)との答え。

 ボールが同じなら、何が原因なのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン