ライフ

憲法学者・小林節氏(73)「憲法13条『幸福追求権』を踏まえて免許返納はしない」

コンビニや郵便局に行くため小林節氏が自ら運転するというのはBMW

コンビニや郵便局に行くため小林節氏が自ら運転するというのはBMW

 警察庁が高齢者に「免許返納」を勧めている流れもあり、最近では、西川きよし(75)や二之湯智・国家公安委員長(77)など有名人の免許返納が相次いでいる。一方で「それでも免許は返納したくない」という人たちもいる。

 5月13日から75歳以上のドライバーの免許更新に新たに「運転技能検査」が加わった。「認知機能検査」を受ける義務もあり、免許更新のハードルが上がっているが、憲法学者・小林節氏(73)は、免許返納にはまるで興味がないという。小林氏に話を聞いた。

 * * *
 自宅が郊外にあるので、例えばコンビニや郵便局に行く時などは自分で運転しています。今後も運転免許は返納せず、持ち続けるつもりです。

 ただ、先日、免許更新時の高齢者講習を受けて、「自分勝手な運転をしてきたんだな」と気付かされました。実地ではヒヤッとする場面もあり、今は心穏やかに運転するよう心掛けています。都心に行く時は車を使っていましたが、今はタクシーか電車を使っています。

 よく、運転免許の返納をめぐって家族が揉めると聞きますが、「オール・オア・ナッシング」は無理だと思う。自身や周りの判断で、車の乗り方や運転の仕方を高齢者でも可能な範囲に限定し、免許を持ち続けるほうが諍いはなくなると思います。

 付け加えると、運転免許の返納は憲法13条に定められた「幸福追求権」に関わる問題です。車を運転することは個人の判断であり、行動の自由を得るための幸福追求権に該当します。

 とはいえ、車は他者を傷つけることがあり、運転するには能力がなければダメで、だから免許制度がある。これはやはり憲法13条に定められた「公共の福祉」の問題です。そのために運転免許の返納が制度としてある。

 幸福追求権を維持しつつ、公共の福祉も踏まえた形での対応が妥当だと考えています。だから私は返納はしないが、運転は可能な範囲に限るという対応を取っています。

※週刊ポスト2022年6月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン