国際情報

北朝鮮 国境警備の兵士らに中国製ワクチン接種開始の一方で偽薬品出回る

薬が品薄状態でなかなか手に入らないという

薬が品薄状態でなかなか手に入らないという

 北朝鮮では新型コロナウイルス感染によるとみられる高熱患者が300万人を超えるなか、非常事態に対処するため結成された「国家非常事態検疫司令部」が、中国政府の協力を得て、中国が製造した「シノバック」製のワクチンを入手。金正恩朝鮮労働党総書記の指示により、最初にワクチンを接種したのは中朝国境を警備する第31国境警備局第1旅団だったことが分かった。

 北朝鮮では人口が最も多い首都・平壌がロックダウンとなり、市民はワクチン接種を待っているが、やはり優先されたのは軍だった。米政府系報道機関「ボイス・オフ・アメリカ(VOA)」が報じた。

 感染が急速に拡大するなか、北朝鮮政府は中国政府に緊急支援を要請。その後、国家緊急検疫司令部の代表団が、中国に派遣され、シノバック製のワクチンの供与を受けたという。

 平壌の情報関係者はVOAに対して、中国からのワクチンは船で運ばれ、中国との国境地帯で軍務についている国境警備局のパトロール隊と国境に駐留する兵士が最初に接種を受けた。また、同時に同司令部メンバーにも接種されたという。

 ワクチンは北朝鮮に無償で提供された可能性が高いが、約2600万人の国民全体に行きわたるにはかなりの時間が必要とみられる。

 北朝鮮では、初期段階での感染者は4月の軍事パレードに参加した軍人が主だったため、軍医が中心になって、軍人へのワクチン接種が優先されている。

 このため、市民は発熱しても市販の薬を買って服用している状態だが、薬が品薄状態でなかなか手に入らないという。ある関係者はこう語る。

「時々、薬剤師や売人が風邪薬を売っていますが、そのほとんどは偽物。咸鏡北道の清津市では高熱を出した患者が平壌製薬工場で製造されたとする風邪薬を飲んでいたが死亡した。中国で製造された風邪薬はほとんどなくなり、偽造薬が製造されているようだ」

 ある病院関係者は「新型コロナウイルスの患者が急増するにつれ、病院はすぐに手いっぱいになっている。症状を緩和するための薬も枯渇しているので、状況は厳しくなる一方だ」と語っている。

関連記事

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン