後藤茂之厚労相は、マスク着用の是非について丁寧に説明すると述べた(写真/共同通信社)

後藤茂之厚労相は、マスク着用の是非について丁寧に説明すると述べた(写真/共同通信社)

 また、二酸化炭素の増加は精神的パニック発作を誘発するとされ、マスク着用とパニック障害、人格障害、認知症、閉所恐怖症、統合失調症といった精神医学的副作用との関連を指摘する米マウントサイナイ病院アイカーン医科大学などの研究もある。ともすると死に至る脳血管疾患や、心血管疾患の要因となる動脈硬化が進行する可能性もドイツ・ザールランド大学病院の研究により指摘されている。

「マスク着用時、息を吸うときに二酸化炭素を少しだけ吸うことで、頭痛が生じたり、呼吸がしづらくなることがあります。また脈拍が速くなることが続くと酸化ストレスが生じて、ひいては動脈硬化を引き起こす可能性が指摘されます」(羽生さん・以下同)

 長時間マスクで覆われることになる口や鼻、歯などへの影響も指摘される。いわゆる「マスクマウス」だ。

「マスクをつけながら口を開けて呼吸すると、唾液が減少してマスクをつけていないときより口腔内が乾燥します。その結果、歯茎の炎症や口臭、口腔カンジダ症、口唇炎の発症のほか歯垢や虫歯が増加する可能性があるのです。このほか鼻炎や粘膜のかゆみと腫れ、くしゃみの増加も認められました」

 口の中が乾いてもマスクで口の周りが蒸れるのがイヤという人も多いはずだ。実際にマスクの着用により、呼気が結露して、口や鼻の周りの湿度が上昇することも確認されている。

「湿度が上がることで、赤みやにきび、かゆみなどの皮膚症状が引き起こされる可能性があります。また、暖かく湿った環境のため、マスクの外側と内側に細菌やウイルスが蓄積することも指摘されています」

※女性セブン2022年6月16日号

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