2019年には江戸川区が策定した水害ハザードマップに「ここにいてはダメ」と区外への避難を明記したことが話題になった。実際に荒川沿いの江東5区(墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区)は浸水により孤立する可能性が高い。地震によって堤防が損傷した場合、250万人が床上浸水の被害を受けることになる。さらには、水が引くまで2週間かかると想定されているのだ。
地震発生時が大雨や高潮と重なれば、さらに被害は拡大する。前出の江東5区以外も被害を免れない。
高級住宅地の成城などを擁する世田谷区も、昨年8月、増加傾向にあるゲリラ豪雨を鑑みて「世田谷区洪水・内水氾濫ハザードマップ」を大幅改定。多摩川の堤防が決壊し、洪水が発生した場合の浸水想定区域や浸水深などを示した「多摩川洪水版」を追加した。大雨が降りしきる中で直下地震が発生し、堤防の損傷が重なれば、多摩川の水があふれ出して世田谷区域の多くが水没する可能性も否定できないのだ。
※女性セブン2022年6月16日号