芸能

出川哲朗を初めてテレビ起用したプロデューサーが語るその魅力「質素だけど美しい」

「俳優・出川哲朗」時代を振り返る

出川哲朗の魅力とは

 7月放送のNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』の出演が決定した出川哲朗(58)。リアクション芸人として名を売り、体を張った芸が馬鹿ウケするも、好感度が高いとは言い難かった男は、一体どうやって“驚異の人気者”になったのか。近しい関係者に取材すると、驚くほどアツい姿が明らかに──。【全3回の第3回。第1回から読む

 * * *
 芸人としての出川の強みはどこにあるのか。出川を初めてテレビに起用した、元フジテレビのプロデューサーでワタナベエンターテインメント会長の吉田正樹氏は、「笑いの神に愛されていると感じた」と話す。

「『ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!』(1990年、フジテレビ系)を始める時に、ウッチャンナンチャンもまだ芸能界に友達がいないから“劇団仲間でいいか”ってことで出川を起用した。

 彼は最初、何をやっていいかわからない状態で、気分は完全にアマチュアだったけど、体を張ったゲームでは“奇跡を起こす男”としてすごく重宝しました。例えば、回転するローラーの上にクリームが塗ってあって、そこに鉄球(スチロール製)がぶつかってきて、落っこちる。運がない人はそのままボトンと落ちるんだけど、彼は1回滑って、ローラーで頭を打って、真っ逆さまに落下していく。彼が起こす“奇跡”には何度も助けられました」

 その後、出川は『気分は上々。』『ウリナリ!!』などで場数を踏み、『お笑いウルトラクイズ』で大きな転機を迎えることになった。

「“笑いの神の寵愛”と“過酷な人生”が成果をもたらしてくれたのだと思う。いじめられている人の気持ちがわかるんですよね、彼は。それがテレビという表現方法に合っていた。だから欲しい時に欲しい表情、画をくれるんです。神の采配としか言えないくらいにぴたんとハマる。

 演劇的な段取りは全然できないし、トチリはするし、セリフも忘れるし、無駄な動きをする。まったくなっていないんだけど、間違いなく笑いの神には愛されているなと何度も思いました」(吉田氏)

 出川自身、2018年に『A-Studio』(TBS系)に出演した際、『お笑いウルトラクイズ』での思いをこう明かしている。

「収録中、『たけちゃん、これからもよろしくな』と言ったら、『調子に乗んじゃねぇ』とボコボコに。ひな壇から他の芸人も下りてきて、みんなにボコボコにされながら、心のなかでは『みなさん、ありがとう。やっと認められた。これで芸人出川として世に出られる』と嬉しい気持ちだった」

関連キーワード

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン