芸能

出川哲朗を初めてテレビ起用したプロデューサーが語るその魅力「質素だけど美しい」

「俳優・出川哲朗」時代を振り返る

出川哲朗の魅力とは

 7月放送のNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』の出演が決定した出川哲朗(58)。リアクション芸人として名を売り、体を張った芸が馬鹿ウケするも、好感度が高いとは言い難かった男は、一体どうやって“驚異の人気者”になったのか。近しい関係者に取材すると、驚くほどアツい姿が明らかに──。【全3回の第3回。第1回から読む

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 芸人としての出川の強みはどこにあるのか。出川を初めてテレビに起用した、元フジテレビのプロデューサーでワタナベエンターテインメント会長の吉田正樹氏は、「笑いの神に愛されていると感じた」と話す。

「『ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!』(1990年、フジテレビ系)を始める時に、ウッチャンナンチャンもまだ芸能界に友達がいないから“劇団仲間でいいか”ってことで出川を起用した。

 彼は最初、何をやっていいかわからない状態で、気分は完全にアマチュアだったけど、体を張ったゲームでは“奇跡を起こす男”としてすごく重宝しました。例えば、回転するローラーの上にクリームが塗ってあって、そこに鉄球(スチロール製)がぶつかってきて、落っこちる。運がない人はそのままボトンと落ちるんだけど、彼は1回滑って、ローラーで頭を打って、真っ逆さまに落下していく。彼が起こす“奇跡”には何度も助けられました」

 その後、出川は『気分は上々。』『ウリナリ!!』などで場数を踏み、『お笑いウルトラクイズ』で大きな転機を迎えることになった。

「“笑いの神の寵愛”と“過酷な人生”が成果をもたらしてくれたのだと思う。いじめられている人の気持ちがわかるんですよね、彼は。それがテレビという表現方法に合っていた。だから欲しい時に欲しい表情、画をくれるんです。神の采配としか言えないくらいにぴたんとハマる。

 演劇的な段取りは全然できないし、トチリはするし、セリフも忘れるし、無駄な動きをする。まったくなっていないんだけど、間違いなく笑いの神には愛されているなと何度も思いました」(吉田氏)

 出川自身、2018年に『A-Studio』(TBS系)に出演した際、『お笑いウルトラクイズ』での思いをこう明かしている。

「収録中、『たけちゃん、これからもよろしくな』と言ったら、『調子に乗んじゃねぇ』とボコボコに。ひな壇から他の芸人も下りてきて、みんなにボコボコにされながら、心のなかでは『みなさん、ありがとう。やっと認められた。これで芸人出川として世に出られる』と嬉しい気持ちだった」

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