国内

岸田首相が視野に入れる「年内解散」 自民党総裁を6年やり遂げるための必要条件に

参院選勝利が見えてくると、次を見据え始めたという(時事通信フォト)

参院選勝利が見えてくると、次を見据え始めたという(時事通信フォト)

 岸田首相は参院選を乗り切れば「黄金の3年」を手にすると言われる。衆議院議員の任期満了は2025年10月まである。首相が解散・総選挙を選択しなければ、次の参院選が行なわれる2025年の夏まで、選挙を心配せずに国政の課題に取り組むことができる。だから「黄金の3年」だ。

 だが、参院選勝利が見えてくると、官邸関係者から「総理は年内解散も視野に入れて総選挙スケジュールを練り始めた」という話が聞こえてきた。

「岸田総理はごく一部の側近、選挙のプロである自民党ベテラン職員とひそかに総選挙の戦略を立てている。周囲には参院選の情勢分析と思われているようだが、衆院定数是正による区割りについて分析しているので、狙いは総選挙で間違いない」(同前)

 総選挙は昨年10月に行なわれたばかり。わずか1年で解散など「まさか」と思われるかもしれないが、自民党では「戦略的には十分あり得る選択。いつ選挙になってもおかしくないと常在戦場です」(平沢勝栄・元復興相)と受け止められている。

 岸田首相がはっきり長期政権を目指し始めたからだ。それは“何もしない首相”“中継ぎ総理”と呼ばれることに対するルサンチマンでもある。

「8番セカンド岸田君」。岸田氏が首相に就任した直後の参院本会議(昨年10月12日)で、自民党から代表質問に立った世耕弘成・参院幹事長はそう呼びかけ、「目立たないがチームワークの要」と評した。

 岸田首相が開成高校の野球部時代、セカンドのポジションを守っていたことから来ているが、自民党内に共通する岸田観と言っていい。

「トップダウン型でリーダーシップを発揮した安倍晋三・元首相や菅義偉・前首相とは対照的に、岸田首相は地味で目立たず、華々しい活躍もない。エースでも4番打者でもない守備要員。せいぜい1期3年総理・総裁をやれれば御の字」(安倍派議員)と見られている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン